<680> 2006.4/24〜2006.4/30
 大阪星光学院中学校に行って参りました。文化祭や入試応援で学校を訪れたことはありましたが、(正式?に)先生とお話しするのは初めてです。訪問前にアポイントメントを取るのですが、電話の段階で、不審者と思われたのか、どういったご用件でしょうか?と何度も聞かれました。入学者の挨拶に伺いたいと言ってもなかなか信じてもらえず、先生に取り次いでもらうまでに大分かかりました。何てガードの堅い学校だろう。いやそれとも相当怪しい奴だと思われたのだろうか。などと色々考え、行く前からかなり緊張しておりました。約束の時間までには余裕があったので、上本町の駅から歩くことに。折しも肌寒い日で、小雨まで降ってきて、「う〜ん。これは幸先が悪いわい。そうだ!四天王寺にお参りをしてから行こう」と意味不明の行動を取っているうちに、時間となりました。
 応対して下さったのは、教頭の井上末廣先生。まずは、星光学院中学に入学した卒業生の氏名をお見せしました。すぐさま数人の生徒に関して「ああ、この子は○○な生徒だった・この子はまじめな子だった・この子の成績は危なかった・たしかこの子は○○大学に行ったはず」など、次々と話して下さりました。生徒一人一人を大切に指導されている星光学院の教育方針がそのまま現れているなあと感心しました。しかし、生徒達はHOPESにいた頃とほとんど変わっていない。うれしいと思う反面、少々気恥ずかしくも感じました。
 教頭先生は、私の不躾な質問にも嫌な顔一つされず、ていねいにお答え下さりました。「本校は進学校ではありません」とおっしゃったのにはいささか驚きましたが、話を伺っているうちに納得できました。一人一人と密に関わりながら生徒を成長させていくという、生徒指導の根本となっている考え方も理解することができました。宗教色はあまり強くないですねと私が申すと、学校生活全体が宗教活動そのものですからとのお答え。時間はかかりましたが(私ってお馬鹿さん)、例を挙げて教えて下さったので、このことも何とか理解できました。私はすっかり教頭先生のファンになってしまいました。HOPESの保護者にも先生のお話をお聞かせ願えないかとお願いしたところ、快くお引き受け下さり、とても感激いたしました。でもきっと、何と厚かましい男だと思われたことでしょう。
 先生は現在も教鞭をとっていらっしゃり(生物の先生)、ご多忙の身。なかなか時間がとれません。そこを何とか調整して下さるとのことで、時期は6月の下旬となりました。
 教育講演会の詳細は、決まり次第報告いたします。楽しみにお待ち下さい。
<681> 2006.5/1〜2006.5/7
 風薫る季節となりました。世間は大型連休ですが、私どもには関係ありません。何もすねているのではないのです。平常通りに授業を行いますよ、と申しているのです。確かに例年、この時期は欠席者が増えます。ふだん家族いっしょの時間をなかなかとれないご家庭にとっては、めったにないチャンス。いろいろと計画もおありでしょう。いっそのこと、低学年だけでも思い切って授業を休みにしてしまおうかとも考えたのですが、日程的にその授業を別の日に振り替える余裕がありません。まして6年生は休むなんて論外。受験生に休日は無縁です。(どうせ中学生になったらいやというほど休みがあるのです)また、ご兄弟で通われている方も多いので、低学年だけを休みにしてもあまり意味がありません。休んでいる場合じゃないでしょ!と急き立てているように思われるのは大変心苦しいのですが、どうぞご理解下さりますようお願いいたします。
 で、ここで提案。どうせなら勉強に没頭してみませんか。約1週間、学校がないのです。ミニ春休みみたいなものです。自分の意思次第ではかなり有効に利用できるはずです。学習スタイルがまだ確立していない人にとっても、やるべき事がこなせず少しずつ遅れている人にとっても、態勢を立て直す絶好の機会となることでしょう。くれぐれもその逆、連休中遊びすぎてよけいにペースが狂ってしまったとだけにはならないようにお願いします。
<682> 2006.5/8〜2006.5/14
 連休が終わりました。ようやくいつものおだやかな時間が戻ってきます。低学年のみなさんはしっかり遊んで、すっかり元気になったことでしょう。6年生諸君にはこれ以上できないくらい勉強に没頭しましょうと提案しましたが、どうでしたか。残念ながら私が期待していたほどがんばれた人は少なかったようです。せっかくの機会だったのにもったいないことです。しばらくは休みもありません。今まで以上にきちんと計画を立て、目標に向かって確実に進んでいかねばなりません。そのためにはより強い意志、精神力が必要となります。
 ところで、このようなことをショート通信(でこぱん便)にも毎週書いて送っているはずなのですが、どうやら最近は読んでいる生徒が少ないようです。内容がつまらないことも原因だとは思いますが、やはり保護者の方が少しうっかりしているのではないでしょうか。ひどい場合は1ヶ月以上ほったらかしの方もいます。毎週必ず(週末には)届くのです。もう少しちゃんとチェックしてお子様に見せていただきたいと思います。
<683> 2006.5/15〜2006.5/21
 全くの私事で恐縮ですが、長男が15歳になりました。それにしても月日の経つのは恐ろしく早いものです。私の中では息子はいつまでも幼いまま。思い出すのは「パパ、パパ」と私にまつわりついていた頃のことばかりです。なのに今はすっかり男臭くなって、可愛かったあの頃の面影はありません。息子の成長を素直に喜べばよいのでしょうが、今ひとつ割り切れないものが残ります。なぜでしょうか。私自身が子離れしなくてはいけない、それは十分わかっているつもりです。しかし最近の彼にはどうも不満が残ります。以前に比べて一生懸命さ・ひたむきさが見られない、反抗とまではいかないまでも、素直さが減った。などが原因でしょうか。いいえ。本当はわかっているのです。私はただ単に寂しいだけなのです。今ひとつ頼りにされていないと感じるのは自業自得。それも私が情けないからです。子どもの成長=親を追い抜いていくことと割り切って、静かに見守っていくべきなのですね。まずは、無事にここまで成長してくれたことに感謝しましょう。
<684> 2006.5/22〜2006.5/28
 まだ取りかかり始めたばかりですが、問題集を作ろうと原稿を書いております。以前作ったのはもう15年前。当時はそれなりに満足しておりましたが、今にして思えばミスだらけ。常々、作り替えなければならないと思っていました。しかし、残念ながらその出版社は市販の学習参考書から手を引いてしまったため、改訂版が出ることはありません。したがって、私の汚名は晴れないまま。(ま、絶版のため、これ以上恥をさらさないで済むとも言えるのですが・・・)塾生用にある程度ストックしてありますが、そろそろ底をつきます。しかし、現在手がけているのはその改訂版ではありません。全く別のものです。前回はテーマ別の問題集でしたが、今回は総合演習的なもの。正直に申せば、全くのオリジナルではなく、ある問題集にヒントを得ました。実力をつけるためには、単元ごとに学習することが一番大切です。しかし、それだけでは学力は完成しません。基本を理解できていることが大前提ですが、偏りなく学力をつけるためには色々なジャンルの問題を解く必要があります。もちろん、HOPESの授業もそのように考えられています。6年生の総合コースは、単元別に学習していくものと実戦演習をする(入試問題をそのまま解く)ものとの2本立てです。しかし、実戦演習の時間は4教科均等にとってあるため、算数はそれだけではやや不十分。その不足分を補うために、これまでは総合演習的な問題集を使用してきました。ところが、その問題集が入手困難になり、出版元に問い合わせても、在庫がなくなり次第販売は終了するとのこと。今年の6年生の分だけは何とか確保できましたが、次年度以降は無理です。代わりになるものもなかなか良いものが見あたらず、困っておりました。そこで、どうせなら自分で作ってしまおうと考えたのです。(一応、出版元の許可はいただいております)まずは、塾生を対象にと考えています。締め切りなどの制約もないので、じっくりと取り組めます。良いものを作りたいと思っております。
<685> 2006.5/29〜2006.6/4
 今年度も、はや3分の1が終わってしまいました。平成18年度の中学入試日程は解禁日が1月20日と決まったようです。いよいよかと思うと、気が引き締まります。6年生達は日々努力を重ね、順調に仕上がりつつあります。と、言いたいところなのですが、なかなかどうして。現実は仕上げどころじゃありません。定着の悪さには本当に悩まされ続けております。頭が痛い。胃も痛い。一体何がいけないのか。何が足りないのか。生徒達には嫌になるほど言い続けているつもりなのですが、届いていないのですね。一向に実行してくれません。「何とかなるさ」そう考えることは決して悪いことではありません。しかし、何もせずに状況が変わるはずはないのです。「何とかなる」は、あくまでも精一杯の努力をした上での話です。今一度、自分自身を見つめ直し、気のゆるみや甘い考えを捨ててもらいたいと思います。おそらく、今度の合格判定テストで目が覚めることでしょう。しかし、原因から改めないことには結局同じことのくり返しに終わってしまうのです。
 さて、今度の休講日、私は何をしましょうか。休みと言っても1日だけですが、私もここまでの自分をふり返ってみようかと思います。人のことを偉そうに言う前に自分自身を見つめ直す必要が大いにありそうです。
<686> 2006.6/5〜2006.6/11
 先日実施した第1回合格判定テスト。良くはないだろうと思っていたのですが、予想以上に悪い出来で、いささか驚いております。特に目立つのは、算数の応用力のなさです。応用問題ができないのは、基本分野がしっかりしていないから。みんな、算数には時間をかけて勉強しているはずなのに何故でしょう。理由は主に以下の3つが挙げられます。
  1. 授業中の問題への取り組み方
  2. 家庭での復習・やり直しの甘さ
  3. 勉強量の不足
「自分にはあてはまらないぞ」と言う人はいないはず。もしも、自分は無関係と思っているのであれば、それこそ大きな勘違いです。できたつもり・やったつもりで、実は何も身についていない典型的なケースでしょう。今年の6年生に多いのは1と2です。3は低学年だと多いのですが、6年生には流石に・・・。(6年生で3に当てはまるようじゃ、まず受験は無理でしょう)私が問題にしたいのは授業中の姿勢です。全員まじめに取り組んでいます。算数の授業中に私語なんて考えられません。しかし、前を向いているだけではダメなのです。少し難しそうな問題になれば、考えようとしない生徒がいます。彼らはひたすら説明が始まるのを待ち、板書を写すだけです。考えないで理解できるわけはなく、これでは復習もできません。結局もう一度写し直して終わり。当然、次に同じ問題が出ても解けるはずはありません。まして応用になれば言わずもがな。本人は時間をかけているからちゃんとやったような気になっていますが、効果は0です。
 とにかく、まず現実を認めるべきです。テストの判定が悪かったのも事実。都合の悪いことからは目をそらし、ごまかそうとする人が多いですが、それでは改善はあり得ません。次に、どうしてこうなったかの原因を考え、今後どうすればよいのか、真剣に考えてください。幸いまだ時間はあります。早急に対策をたて、すぐに実行していきましょう。
<687> 2006.6/12〜2006.6/18
 梅雨入りした、そう聞くだけでなんか滅入ってしまいます。どうやら、私。少し心が弱っているのかもしれません。
 さて、先週に引き続き鬱陶しいお話を・・・。今度は低学年です。
 私にとって、本来、授業は楽しい時間のはず。教える楽しさ、元気な子ども達と共に過ごせる喜びから、この仕事をしているようなものです。ところが、最近は気の重いことが多い。毎日「今日は怒らんとこ」と思い、教室に入るのですが、ものの数分でその決心は覆されます。ウソとごまかしに満ちた宿題と復習。それを次々と見せつけられると、もうだめです。明らかに答えを写しただけのやる気の感じられない文字の羅列。延々とくり返される見えすいた言い訳。この子達に心はあるのだろうか。頑張ろうという気持ちはあるのだろうか。そう思うと、脱力感と無力感に包まれてしまいます。分からないなら教えるから質問して、と言うと、適当なところを指さすだけ。彼らに共通して言えることは、分からないのではなく、分かろうとしないこと。もっと突き詰めれば、できないのではなく、何もしていないのです。何とかしようとする前に逃げ出しているのです。授業中でも彼らは考えようとしません。説明すら聞かない者もいます。ただひたすら写すだけです。分からないのは難しいからではありません。考えないからなのです。聞かないから分からないのです。今言ったことを直後に確認しても答えられません。そのような状態では、家に帰って復習や宿題ができるはずはありません。まさに悪循環です。もちろん私の方にも非はあります。以心伝心。私のいらだちが彼らをさらに萎縮させている事も事実でしょう。改めていきたいと思います。しかし、まずは彼らが取り組もうとしなければ何も始まらないのです。そこで提案です。何でも良いから、一つ目標を決めましょう。どんなに小さなことでも構いません。そしてその実現に向かって少しだけ努力してみましょう。目標が達成されたときに、きっと何かが変わると思います。
<688> 2006.6/19〜2006.6/25
 今日は「父の日」。いや、算数オリンピックの日でした。私も審判員として監督をしながら、挑戦しました。難しかった〜!1番からいきなり悩みました。しばらく考えてもわからなかったので、パス。2番は何となくわかったような気もしましたが、自信がない。3番は・・・パス。4番もややこしい。しかし、これまでパスをすると解ける問題がなくなってしまう。だんだん焦ってきました。10数年前に一度だけ行われた「算数オリンピック大人の部」に挑戦した時のことを思い出しました。その時も緊張しすぎて、頭が真っ白になりました。あのときは1題解けたらあとは落ちついてうまくいったのですが、今回はどうも頭が働きません。う〜ん、ここまでアホになったか?!自分の不甲斐なさを嘆きつつ、続行。試行錯誤の末、4番は正解を見つけ、ほっと一息。そして見覚えのある問題を発見。ああ、そうだ。私が出題したものでした。これはさすがにできました。(当たり前や〜ん)一通りできそうな問題だけは済まし、パスした問題に再挑戦。何とか解けたみたい。でも、時間は目一杯。残り5分しかありません。さあ、もう一度見直しへ。そこでガ〜ン!最後の問題がまだでした。そういえば軽くパスしていたのを忘れておりました。仕方がないのでこれはカンで。いや冗談。きっと正解のはず。そこでジャスト、タイムアップ。
 生徒達の様子はと言うと・・・。途中、何度か私と目が合い、その度に視線を紙面に戻していた人(きっと、あきらめかけていたのね)や、一心不乱に集中していた人(素晴らしい)。なぜか突然、足をぶらぶらとさせ始めた人(う〜ん。謎ですね)など、実にさまざまでした。結果はともかく、みんな貴重な体験をしたのではないでしょうか。集中して考えることは素晴らしいこと。正解・不正解は二の次です。願わくば、この姿勢を日頃の学習にも取り入れてもらいたいものです。私自身、もう一度鍛え直さねばと深〜く反省した一日でした。
<689> 2006.6/26〜2006.7/2
 先日の大阪星光学院教頭の井上末廣先生をお迎えした教育講演会。ご多忙中にも関わらずご参加下さった方々、誠にありがとうございました。
 心温まる素晴らしいお話でした。おだやかな語り口から教頭先生のお人柄がしのばれ、終始、和やかな雰囲気の中で会は進んでいきました。私自身、最近息子達との接し方に自信を失いかけている中、教えられることが多く、とてもありがたく感じました。
 まず、機械化が進み便利になった反面、現在はコミュニケーションが希薄になっていることを指摘されました。
 「本来、人は自分を知らない。自分の顔や声は直接見ることも聞くこともできない。それは相手の反応によってのみ確認できる。これがコミュニケーション。ところがコミュニケーションがとれないと、自分がわからない」
 対面対話の重要性も話されました。
 「不登校の生徒はコミュニケーション不足によることが多い。では、一体何が原因か。一つには、親のしゃべりすぎが挙げられる。何でもかんでも用意しすぎるのだ。自分で考え、行動しようとしているのに、その隙すら与えない。これではやる気も起こらない。自分の気持ちを伝えることもできない」
 その通りだと思うと同時に反省もしました。生徒や息子と話をしているとき、相手がなかなか本心を打ち明けないと、短気な私は、すぐに決めつけてしまいます。なぜ、もう少し待てなかったのだろう。待つことは忍耐がいりますが、必要なことだと改めて感じました。
 母性と父性の違いについても教えて下さりました。私にとっては、新鮮でやや耳の痛いお話でした。
 「母性。それは無償の愛。優しく全てを包み込む。しかし、子どもたちが母性だけに頼りすぎると、内と外の区別がつかない、社会化のできていない人になってしまう。たとえば電車に乗ったとき。昔ならば車内のマナーは周りを見ながら身につけた。こういう事はしてはいけないと、自然に理解していった。ところが今は、移動手段に公共の交通機関より自家用車を選ぶ家庭が多くなった。子どもにとっては快適かもしれないが、それでは社会化を学ぶことはできない。電車内で化粧をする女性もしかり。社会化が全く身についていない。そこで、必要になるのが父性である。父性は社会への対応を教えてくれる。ところが、最近の父親は優しすぎる。父≒母になりつつある。子どもといっしょに遊んではくれるが、問題が起きたときに対応できる人が少ない」
 さらに、先生はおっしゃります。
 「たとえばストレス。ストレス自体は悪くはない。悪いのはストレスに対応できないこと。母性は子どものストレスを取りのぞこうと考え、父性はストレスにも耐えることを教える。慣れることで強くなり、また強くならねばいけない。その力をつけることこそが教育なのだ」と。
 なるほどと感心致しました。私はつい教えすぎてしまいます。押しつけず、そっと範を示せばよいのですね。難しいことですが、努めてみようと思いました。
 大阪星光学院の教育に関しても、詳しく説明下さりました。学院の基本方針(星光学院自体が人の好意によってできたものであるから、人の好意に応えられる、世の役に立つ人物を送り出すことが教育の目的である)がしっかりしていることがよくわかりました。「無理に引っ張りはしない。そっと押すだけです」という言葉にもうなずけました。
 さらに、保護者の方の質問にもていねいにお答え下さりました。数例を挙げます。  予定の時間をかなりオーバーしたのにも関わらず、にこやかに応対して下さりました。講演会が終了するころには、午前中の天気がうそのように晴れ上がり、私の心もさわやかになりました。(ただ、カサの忘れ物が多かったです・・・)本当に素敵な時間でした。
 今回の講演はビデオに撮影致しました。ご希望の方がございましたら貸し出しいたしますので、お申し付け下さい。(初の試みですが、DVDに焼きました。VHSかDVDのどちらを希望されるか、お知らせ下さい)
※ こちらもご参照下さい。

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