カッパの日記 

2009年10月

09.10.1 ファイト!

 とうとう10月。いつまでたっても本気にならない6年生に業を煮やしながら、やきもきしている呑ちゃん。
 「一体どうすりゃいいんだ」とパートナーのYと相談中、現れたのは1人の卒業生。
 消息が途絶えて、心配していたのだ。
 本当にそんな子ばっかり。卒業生たちよ!もう少しマメに(いや、たまにでもいいから)連絡よこさんかい!!
 彼は現在、大学受験に向けて再挑戦中だった。
 少々やつれているように見えた。
 元来明るい性格なのだが、真面目なので思い詰めるところがある。
 「もうちょっとやないか。大学入ってやりたいこともあるんやろ。それを楽しみにがんばらんかい」
 私が言わなくても、きっと分かっているはずだ。
 だって、目は死んでいなかったもの。
 来春、笑顔で会いに来てくれると信じているぞ!ファイト〜!オ〜!!
 

09.10.2 最低男?

 「最低やな〜」
 今朝、ハニーに言われた。
 身に覚えは・・・。ない!とキッパリ。
 私の朝食はいつもなら麺(めんくいなのよ)。時に和食。
 今日は珍しくパンだった。
 昨日ハニーが食べているのが美味しそうだったから、同じものをリクエストしたのだ。
 「なんとかマフィン」とか言ったっけ。
 ハニーは2種類出してくれた。胚芽酵母入りとそうじゃないもの。
 「どっちがおいしい?」
 「???」
 違いは分かるが、好みの決定的な差にまでは至らない。ので、
 「どちらも好きだよ。でも一番好きなのは、ハニー!君さ!!」
 と言った途端に、先ほどの言葉が返ってきたのだ。
 何でじゃ、何が悪いのじゃ。女心は謎じゃ。
 どなたか、易しく解説しておくれ!

 ハニーに確認したところ・・・
 「A子もB子も好き。だけど、君=C子が一番好き」と言っているプレイボーイのように思えたからだそうで酒!
 お騒がせしました。

09.10.3 有料化

 インフルエンザ対策として、生徒たちにはマスク着用をお願いしている。
 ところが、ものすごく勘違いしている者が多い。
 何のために、マスクをしているのか。
 教室内でのマスク着用は感染拡大を防ぐのが目的。徹底しているから、それは流石に分かっているようだ。
 ところが、最大の目的を全く理解していない。
 言うまでもなく、マスク着用は感染予防のためである。
 最も危険なのは(学校を除けば)通学途中の電車内だと、私は思っている。
 なのに、登塾段階でマスクをしている者は殆どいない。教室を出た途端に、マスクを外す者も多い。
 そりゃ、自家用車で完全に送迎されているならば話は別だが、人ごみを通る可能性があるならば、マスクはしておいて欲しい。

 危機管理意識を高めてもらいたくて、今まで無料で配布していたマスクを有料にした。
 備蓄が減ってきたのは事実だが、決して小金を稼ごうなどと思っているわけではない。
 でも、きっと誤解されているんだろうな〜。けちくさい奴だなって!

09.10.4 閉塞感

 最近、少々閉塞感に苛まされている。何となくスッキリしないというか、まあ年に数回起きる症状なのだけど。
 ふと、昔よく聴いた歌を思い出した。ぴったりではないが、今の心境に近いかも知れない。

   まにあうかもしれない   作詩 岡本おさみ 作曲 吉田拓郎 

 僕は僕なりに自由に振るまってきたし
 僕なりに生きてきたんだと思う
 だけどだけど理由もなく
 めいった気分になるのはなぜだろう

 思ってる事とやってる事の
 違う事へのいらだちだったのか
 だから僕は自由さをとりもどそうと
 自分を軽蔑して自分を追い込んで

 なんだか自由になったように
 意気がっていたのかもしれないんだ
 まにあうかもしれない今なら
 今の自分を捨てるのは今なんだ

 まにあわせなくては今すぐ
 陽気になれるだろう今なら
 大切なのは思い切ること
 大切なのは捨て去ること

 そうすりゃ自由になれるなんて
 思っている程甘くはないけれど
 だけど今は捨て去ることで
 少し位はよくなると思えるんだ

 まにあうかもしれない今なら
 まにあうかもしれない今すぐ

 なんだか自由になったように
 意気がっていたのかも知れないんだ
 まにあうかもしれない今なら
 今の自分を捨てるのは今なんだ

09.10.5 アンバランス

 私の労働時間は、非常にアンバランスだ。
 日曜は最低8時間授業だし、土曜と合わせて15時間ということもある。
 そうかと思えば、今日のように2時間だけの日も。
 講習会をのぞけば平均4〜5時間といったところだから、世間一般レベルからするときっと楽な方なのだろう。
 けど、この落差が結構こたえるのだ。
 もちろん、仕事は授業だけではない。次から次へと色々なことがあると、本当に目が回りそうになる。
 流石に自分を見失うことはないが、気力が切れそうになることは、稀にある。
 このアンバランス、何とか改善できないものだろうか?
 しかし、まあ毎日終電というわけでもないし、早く上がれる日は勝手をさせてもらっている。
 考えようによっては、このメリハリ?が良いのかも知れないが・・・。

09.10.6 怖がり

 久しぶりに「世にも奇妙な物語」を見た。
 訳の分からない終わり方が結構好きで、以前はビデオまで借りていたのだが、ある作品に違和感を覚えて以来、遠のいていた。
 途中からは、私より遅く帰宅した(何でやねーん)長男と一緒に見た。
 2話目と3話目が面白かった。
 1話目はスリラータッチ。4話目はホラー仕立てになっており、ともにやや怖いお話だった。
 長男は割とのめり込みやすいタイプ。ショッキングなシーンや怖い場面で、過敏に反応するのが可笑しかった。(実は私もそうなのだが、昨夜はワインを呑みながらのお気楽モードだったので、彼ほどではなかった)
 怖がりのくせに、怖い話し好き。それは自分でも分かっているようだ。
 「一人暮らし始めたら、こんなん絶対見られへんわ」
 「おいおい、その前に、先ずは大学入らなあかんねんで」
 と、言いながらも、もう一話一緒に見ようと誘ってしまったダメ親父。
 3話目は笑えた。
 非現実的な設定なのだが、妙にリアル。2人とも、それぞれ勝手に現実に置き換えていた。
 あーでもないこーでもないと大いに盛り上がり、楽しい一時を過ごせた。

09.10.7 オフなのに

 職場に来ていま酒。
 来客があったからなのだが、外は雨だし、予定も一つなくなったので、ボンヤリしている。
 先ほどから、ユーチューブで拓郎さんを聞いている。いいな〜。やっぱり。
 職場のみんな(と言っても現在は1人だが)には迷惑だろうが、許しておくれ。
 もう少ししたら、(泣き出す前に)消えるからね。

 ところで、台風はやっぱり来るのだろうか。いやだだな〜。あっち行け〜!

09.10.8 評判と真実

 恥ずかしながら、「ここぞと言う時はここ!」というような店をあまり知らない。
 そんなときに助けてもらっているのが、勝谷のグルメ本だ。
 昨日はファミリーの集いだったのだが、その中の一軒におじゃました。
 初めて行く店だった。前日に予約をし、快く受け付けてもらえたので、安心していた。
 あいにく、おりからの台風接近。雨がひどくて、店を探すのにも往生した。(私が1本筋を間違えていただけのだが)
 店に到着の段階で、気分が萎えかけていたのは事実。
 しかし、「やっと着いた。さあ、今日は楽しむぞ!!」と思いきや、それからは落胆の連続だった。
 何が悪いというわけではないが、少しずつひっかかったのだ。
 「勝谷が絶賛している店ならば、この応対はないはず」と思えることが、幾度もあった。
 もちろん味が不味いとか、接客がなっていないとかと言うレベルの話ではない。全てにおいて、水準以上だと思う。
 なのに、不満が残るのは何故か?
 従業員が専任でなくバイトらしき者が含まれていたことに起因する諸々。
 予約をしているにもかかわらず、それが全く反映されていなかったこと。
 などが、主な理由なのだが、そこでハッとした。
 まるで私も同じじゃないか!
 HOPESを訪れて下さる方は、皆様どなたかの紹介。当たり前だが、大いなる期待を持って来られている。
 しかし、HOPESってどうなんだろう。聞いただけでは分からない。本当に大丈夫なのか。我が子にマッチしているのだろうか?等々。という心配もある。
 多くの方は、期待と不安の入り交じった状態で入会されている。
 その方々の不安を取り除き、安心感を与えるのが私達の仕事だ。
 なのに、私はどうだろう。十分な説明を尽くせていただろうか。不安を安心に繋げることができていただろうか。
 人の振り見て我が振り直せではないが、反省すべき事がたくさん見つかったように思う。
 「あそこの先生、ちょっと変わってるよ」という評判はもうたくさん。
 「流石、あそこはすごいわ」だけではなく、
 「やっぱり、任せて良かったわ」、とまで言われるようになりたいと思う。

09.10.9 長袖

 各地で猛威をふるった台風も、無事通過し一安心。休校になった学校は多かったようだが、私達は授業を休みにすることもなくてすんだ。
 昨日はまだ風は強かったが、午後からは晴れ間も見え、ようやく秋らしい爽やかな天気となった。
 暑がりの呑ちゃんも、ようやく半袖卒業。遅ればせながら、昨日から長袖で出勤となった。
 涼しくなったのは喜ばしいことなのだが、嬉しい反面、心配事も増える。
 例年この時期は体調を崩す者が多い。ましてや、今回は新型インフルエンザが大流行。
 自分の体調管理も含め、注意しなければならないことが多くなりそうだ。

09.10.10 車内広告

 電車の中吊りまたは壁面の広告。私は見るのが結構好きだ。
 鉄道各社で特長があり、なかなか面白い。例えば、阪神なら甲子園球場、阪急なら宝塚など。
 また地方にはその地方独特のPRがある。旅行に行った時にはそれらを見るのが楽しみだ。
 由紀恵さまのような美人に会えるのも嬉しい。
 まあ、雑誌の広告など毒にしかならないものも多いが・・・。
 ところが、最近目にすることが多くなったのは、金融関係の広告。
 借りることを誘うものもあれば、借金問題の相談はこちらというものも多い。
 世相を反映していると言えばそれまでなのだろうが、何となく嫌な気がする。
 ある時など、車両全部が借金関連の広告で(一頭貸しというのかな?)、参ってしまった。
 どうせなら、もっと楽しくなるようなもので埋め尽くしてもらいたい。

09.10.11 失望

 誰だ。「子どもは天使だ!」何て言ったのは。
 確かに、無邪気だし天真爛漫。大人には絶対にない純粋さを持っている。
 でも今の私にとって、彼らは誤魔化し上手なただのウソつきに過ぎない。
 またしても裏切られた。
 「お!最近アイツがんばっているな」と思った矢先のことだった。
 しかし努力は見せかけ、結局、その場さえしのげれば良かっただけなんだ。
 あ〜あ。情けない。
 どうして分からないのだろうか。愚か者め。いや、愚かだから分からないのか。
 少し疲れた。今は生徒のことは考えたくない。

09.10.12 気持ち

 今日は体育の日。体育の日といえば10月10日じゃないか?と、いまだに固定観念から抜け出せない。
 連休、その上素晴らしい好天なのが、休みに全く関係のない私たちには、何とも口惜しい。
 今日は全学年が集まる。5年生に至っては、朝からテスト晩から授業で、2回も登塾することになる。気の毒とも思うが、まあ恨まないでおくれ。

 その5年生。今日のテストは志望校の合格判定テスト。
 いささか気が早いようにも思うが、そろそろ受験を意識して勉強してもらいたいので、例年この時期に行っている。
 さて、みんなの志望校は・・・。
 う〜ん。本当に唸ってしまった。
 難関校がずらりと並ぶ。
 正直、目眩がした。
 本気で言っているのかと疑いたくもなるが、これはきっと彼らの本心なのだろう。

 「よ〜し、おまえらの気持ちは受けとった」

 もちろん、現段階では誰一人として目標に届いている者はいない。
 しかし、要はこれからどれだけ頑張れるかだ。目標に見合った努力を重ねることができるかどうかだ。
 口先だけで終わるんじゃないぞ。中途半端じゃ何もならないぜ。
 何が何でもやりぬくんだという、熱い気持ちが必要だぞ。
 その気持ちがあるなら、ついて来い!徹底的に鍛えてやる。

09.10.13 銀の匙

 昨日のTV。NHK総合TV「ザ・コーチ」という番組で、灘高校元教頭の橋本武先生が取りあげられていた。
 橋本先生は、知る人ぞ知る名物教師。私が入学した時には教頭先生だった。
 その頃先生はすでに還暦を迎えられていたはず。しかし、矍鑠(かくしゃく)とした立ち居振る舞いはその年令を感じさせず、銀髪のオールバックで、服装もオシャレ。いつも棒ネクタイをしていらっしゃったように記憶している。
 今年で97歳になられたそうだ。しかし、到底そのようには見えない。最後にお見かけしたのは3年ほど前だったが、まさかそのときに90歳を越されていたとは思わなかった。
 番組は、先生の独特な授業方法にスポットを当てていた。
 灘の授業は、その学年を担当する先生が思いのままに展開される。教科書に縛られることもなく、悪く言えば好き勝手なことができるのだ。
 橋本先生は、中勘助の『銀の匙』を教材に選ばれ、中学の3年間を掛けて一冊を読破させる。といっても長編ではない。早い人なら1日もかからずに読み終えてしまうはずだ。
 従って、ただ単に文章を読ませ、感想を言わせるようなありきたりの授業ではない。例えば、語句一つにしてもていねいに調べ上げ、時には生徒たちに調べさせ、そこから派生する様々なことがらを生徒たちといっしょに共感するような授業展開なのだ。
 残念ながら私は直接教わったことはない。ただ、先輩方から話は伺っていた。
 面白い授業だったのだろうな〜。横道にそれすぎるという批判もあったようだが、私は構わないと思う。私の授業でも、本題から脱逸することはよくある。それが生徒たちの関心をひき、興味付けにつながるのであれば、単に公式を教えるよりも(私は公式は一切教えないけど)はるかに値打ちがある。
 橋本先生は源氏物語の研究においても有名でいらっしゃる。番組では触れられず、ご趣味の宝塚歌劇団のこともあまり話題にされていなかったのが、少し惜しいような気もしたが、見応えのある素敵な番組に仕上がっていたように思う。シンクロの井村コーチはいささか場違いのようにも感じたが。
 「私の夢は、灘校でもう一度『銀の匙』の授業をすることです」と仰ったのを聞いた時、涙が出て来た。先生、どうかいつまでもお元気でいて下さい。
 『銀の匙』。私ももう一回読み直してみよう。

※ 橋本武先生は2013年9月ご逝去なさいました。

09.10.14 来た〜

 ふぉふぉふぉ!やっと来ましたこのシーズン。嬉しいじゃないか!最高じゃないか!!
 「とうとうおかしくなったのか?」何て言わないで。
 まだ暑い日もあり、いささか気が早いかも知れないが、とにかくわが家にはやって来たのだ!
 そう、『鍋のシーズン』が。

 今シーズン第1号は、『具だくさんの常夜鍋』。
 普通、『常夜鍋』と言えば、ほうれん草と豚肉だけのシンプルなもの。シンプル故に、毎晩食べられる。だから常夜と言うらしいのだが、欲張りの私はあれもこれも入れてとねだる。結果、わが家の『常夜鍋』は『寄せ鍋』になってしまうことが多い。
 今回は、辛うじて『常夜鍋』の名残は残していた。

 鍋の一番の喜びは、みんなが集まること。
 残念ながら、その日も帰宅が遅くなった私。流石に待ってとは言えず、全員が集うことは叶わなかったが、まあ満足の呑ちゃん。汗をかきかき、しっかり堪能させていただいた。
 全員集合は次の機会に期待しよう。
 

09.10.15 現実逃避

 昨夜、ある生徒と遅くまで話をしていた。
 優秀な生徒ではある。しかし、悲しいかな、勘違いしている。
 努力らしいこともせずに、願望だけは一流だ。そのくせ何とかなるだろうと楽観視している。
 似たような生徒は今までもいた。
 その子達の思い上がりを何とか改めさせようと、色々と手を尽くしてきた。
 その子の一切を一旦否定し(当然本人のプライドは粉々に砕かれる)、その後自力で立ち直るのを待ったこともある。誰にでも通用する方法ではない。精神の強い子限定だし、それでも危険を伴う。
 ゆっくりと話をし、相手を肯定しながら、でもそれはどうかな。こんなのはどうだろう?と一緒に考えて解決してきたケースもある。ソフトではあるが、相手の心に届けば、効果は大きい。
 私の経験(特に失敗談)などを例に挙げ、自分の間違いに気付かせた場合もある。

 今回は穏やかに話をした。
 「このまま、そこそこ適当にやっていっても、ある程度の結果は出るだろう。でも、その結果はおそらく君が望んでいたものとは違うはずだ。そして、きっとその結果に君は満足できないだろう。なぜなら、精一杯努力して得た成果ではないから。・・・」
 と、ここまで話して、気が付いた。
 「な〜んだ。昔の俺じゃないか」と。
 努力をせずに、何とかなるさと高をくくり、失敗しても反省せず、言い訳ばかり重ねる。自分を正当化し、都合の悪いことは他人のせい。そんな奴に友などできるはずもなく、次第に孤立し、それでも自分の非を認めず、自己欺瞞を繰り返す。
 もちろん、その生徒が私のようになってしまうと決めつけているわけではないし、こんな私に生徒を責める資格などあろうはずもない。
 ただ、現実逃避の後には後悔しか残らないことだけは、伝えたかった。

09.10.16 マッサージチェアー

 朝一で広島より来客。しかし、その後時間がぽっかり空いた。
 「そうだ、散髪に行こう!」
 まだそんなに伸びていない気もしたが、これからいろいろと忙しくなる。行けるうちに行っておこうと、いつもの店に。
 あいにく混んでいた。でも私にとっては好都合。
 と言うのも、かねてからお店に備え付けのマッサージチェアーに座ってみたかったのだが、空いている時にはなかなか頼み辛くて、無念の涙を呑み続けていたのだ。
 「すっごいで酒ね〜!」
 正直な感想だ。効く効く。手も足もこれでもかと締め付けてくる。
 実はわが家にも1台あるのだが、かなり旧型。肩と腰はやってくれるが、とても機械的だ。(機械だから当然ってか?)
 ママさん曰く、「これでももう大分前ので、今のはもっとスゴイ」らしい。
 どんなにスゴイのだろう?今度の休日にでも、電器屋さんでおばちゃん達に混じって体験してこようかな。

09.10.17 おそろい

 私が男前になって帰宅すると、少女が眠っていた。
 良く見るとハニーだった。
 40を越えた女性に言う事じゃないが、髪をバッサリ切った彼女は、とても幼く見えた。
 流石に、今回は気がついた。前回の失敗の後も、ちょこっと切っていたのを見逃しており、気がついたのは数日後。今度見逃したら夫婦の危機だったかも。辛うじてセーフ。
 同時に髪を切ったのはおそらく初めて。え?バカップルのおそろい?てか。
 けど、息子達は無反応だった、と嘆くハニー。
 まあ、私が髪を切っても息子達はほぼ100%ノーリアクション。彼らの変化を見過ごすこともあるから、お互い様か。けど、やっぱり悲しい。
 むしろ、生徒たちの方が良く気がついてくれる。
 昨日も
 「何で切ったん?」(切る必要ないやろと言わんばかりだ)
 「寒くないん?」(そんなに少ないか?!)
 「大丈夫?」(そこまで言うか〜)
 と、大反響?だった。
 散髪屋のマスター曰く「他人は自分が思うほど気にしてへんよ」
 まあ、そうで酒。身だしなみは、周囲への最低限のマナーが10%、あとはほとんどが自己満足で酒ものね。

09.10.18 単位分数

 最近、単位分数の夢を良くみる。
 ある分数を単位分数の和で表す、よくあるありふれた問題なのだが、夢の中では何やら大発見をしたように喜んでいる私がいる。
 2日続けて同じ夢を見た時は、神の啓示かとも思ったが、大したことはなかった。
 起きてすぐは覚えていたのだが、30分もすれば忘れてしまう。いや、3分かも?
 メモでも取っておけば良かった。
 今度見たらそうするべ。

09.10.19 立ち往生

 昨夜帰宅すると「今日は大変やったんよ」とハニー。
 車が突然動かなくなったらしい。しかも、交差点の手前で信号待ちをしている時にだ。
 その場所は、割と交通量の多い交差点で、当然大パニック。警官3人が交通整理に出てくれたそうだ。JAFが来るまで約1時間。夕方の駅前はとんでもない状況だったのだろう。
 まだ交差点に進入する前だったのが、不幸中の幸い。もしもと思うと、想像するだけで恐ろしい。
 車はメーカーに運ばれ、原因究明。
 冷却水漏れだったそうだ。
 素直にハニーの無事を喜べばよいのだろうが、私は腑に落ちない。
 と言うのも、車は10日ほど前に点検に出したばっかり。そこでは異常が無かったらしいのだが、そんなものなのだろうか。
 車の故障は一つ間違えば命に関わる。だから点検にも出しているのに、それを見逃した?挙げ句「仕方有りませんよ」とは何たる言い草。さらには、詫びの一つもなく「修理代金は○万円になります」だと。おとなしい私でも切れるで。
 しかしそこは大人の呑ちゃん。「担当の○○さんと直接お話ししたいと思います。連絡いただけませんか」と静かに電話を切った。(かかってきたのが電車の中だったからではないぞ)
 流石に、担当の方は(私の気性をよくわかっておられるようで)ひたすら低姿勢。それでも、「この際、お車をお替えになられてはどうですか?」との提案には参った。ほんま、関西人やな〜。
 もちろん、そのつもりはない。10年以上乗っている車だけど、まだ十分走るし、新車を購入する余裕などあるわけもない。
 ハニーは「これからもこんなことが頻繁にあるようだといやだだな〜!」と不安げだったが、もう少し辛抱しておくれ。
 まあ、無事で何より。今夜は乾杯じゃ。

09.10.20 病院

 今月末に入院する私。今日はその病院で初めて診察を受けた。
 何のことか話が読めない人のために・・・。
 手術をして下さるのは、とある大学病院の先生なのだが、大学病院の手術室は予定が一杯で空きがない。そのため、別の病院の施設を借りて行うことになったのだ。
 医者の世界のことはよく分からないが、よくあることなのだろうか。

 さて、訪れたのはある病院。駅からはさほど遠くない。これなら退院後も歩いて帰れるだろう。
 結構大きな病院だった。まずは一安心。
 さて、設備は・・・。残念ながら、最新とは言い難いように感じた。
 素人の私が言うべきことではないのだろうが、例えば受付一つにしても、動きに無駄が多すぎるように思えた。
 受け付けをする人と入力する人が同じなのだ。当然、入力中にも受付には人が訪れる。その度に手を止め、対応している。しかも受付には数人いるのに、みな同じことをしているのだ。
 それだけで判断するのは早計かも知れない。診察はていねいだったし、スタッフも人当たりのよさそうな人ばかりだから、悪くはないと思う。一昔前の総合病院と言ったところだろうか。
 しかし、結局は一事が万事だったようだ。おかげで随分長い時間待たされた。
 やっと終わった。と思いきや、薬をもらい忘れたのに気が付いて引き返す。出し忘れていたとのことでまた待たされ、さらに薬局でも同じような応対。結局3時間以上も病院にいたことになる。
 患者の分際で偉そうにはできないが、いささか不安になったのは事実だ。

 入院と言えば大げさだが、日帰りでも大丈夫な簡単な手術らしい。私がビビリ故に、用心して一泊するだけのこと。
 だから、みなさんもどうぞご心配召されるな。
 え?何の病気かって?それはヒミツじゃ。(保護者会ではカミングアウトしたけどね)

09.10.21 修学旅行

 次男は現在、旅の空。
 いつもは寝坊すけの彼が、先日えらい早くから起きていたのでおかしいと思ったのだが、その日が出発だったようだ。
 目的地は沖縄。
 最初は海外の予定だったのだが、新型インフルエンザがその地で流行っているとのことで目的地変更。なのに、よりによって国内で一番感染者が多かった(今は北海道)沖縄を選ぶとは・・・。謎じゃ。
 しかも、期間は短縮され、息子は文句タラタラだった。
 私にも納得できない点は多い。
 台風の季節に何でとも思うし、海外と費用が同じだというのも変だ。
 まあ、高校時代の良い思い出だから、中止になるよりはありがたいのだが・・・。
 (私は高校の修学旅行には行かなかった。行きたくないからと自ら言い出したことだったが、今となっては行っていても良かったかなと思うこともある)

 彼がいないと、やっぱり寂しい。まあ、家にいても顔を合わさない日もあるが、それでもそばにいるのといないのでは違う。
 元気に帰ってきてくれることを楽しみに待つことにしようか。
 お〜い。元気か〜?
 今夜は無事帰宅の前祝いで乾杯じゃ。

09.10.22 東大寺学園

 東大寺学園の入試説明会に出かけた。
 例年と違い何故か午前の部がなく、授業の関係からどうしようかと悩んだが、思い切って行くことにした。
 行って良かった。東大寺学園の良さを再認識することができた。
 何を今さらと思われる方もいるだろう。
 確かに、次男がお世話になっていることもあり、多少一般の人よりは詳しいかも知れない。けれど、今日伺って改めて感じたのは、その校風の素晴らしさ。のびのびしていると言うよりがつがつしていないと言った方が適切に思える。
 学校紹介ビデオを見ながら頻りに頷いていた私。ウソや誇張は全くなかった。
 生徒の自主性に任せ、行事の多くは生徒主体だ。何より、生徒一人一人に対する判断基準が成績や偏差値ではないことがありがたい。
 卒業式のシーンでは思わず涙ぐんでいた私。一番前の席で格好悪いったらありゃしない。
 多くの生徒が憧れ、保護者が我が子を通わせたいと思うのも納得できる。
 その期待に応えるべく、私も頑張らなければならぬと、改めて思った。
 ただ、生徒諸君よ。これだけは言っておく。
 口先だけでいくら唱えても望みは叶わない。目標に到達するのは決して楽ではない。苦しさに負けずに思いを貫いた者だけが、喜びを手にすることができるのだ。

09.10.23 青いバラ

 先日の朝刊(巨人ファンだから読売新聞なのだ)に、「青いバラ」がいよいよ発売されると言う記事が載っていた。
 バラにはもともと花の色を青くする色素が含まれていないため、青いバラの開発は長年(800年も)不可能と言われていたが、サントリーは遺伝子組み換え技術を使って開発に成功した。というのが今から5年前。来月、ついに一般発売されるそうだ。
 「青いバラ」のブランド名は「アプローズ」。喝采という意味らしい。
 素敵なのはその花言葉。『夢 かなう』だそうだ。
 いいな〜。諦めなければ夢はかなうものなのね。
 写真で見る限りでは、まだ青と言うより紫に近いような気がする。
 また1本2000円から3000円と高くて私などには手が出せないが、何となく嬉しくなるじゃないか。
 夢を忘れたオッサンの独り言で酒た。

09.10.24 ウエルかめ

 NHKの朝の連続ドラマ。個人的に全く惹かれないものもあり、一概には言えないが、今回の「ウエルかめ」は面白いと思う。
 どこが良いとは的確に表現しづらいが、登場人物の少しテンポのはずれたキャラクターかな?
 ストーリー展開は、ハチャメチャすぎず、しかし平凡ではなく、なかなか飽きさせない。
 ヒロインの「倉科カナ」も嫌味がなく可愛らしいと思う。
 見る時間がない時は、ビデオにまで撮ってもらっている私。やっぱり変かな?
 まあ、一時の息抜きには良いんじゃないだろうか?

09.10.25 弱気

 誰もが明日は来ると信じて生きている。健康な若者ならさらだ。しかし、それは思いこみに過ぎない。実は何の確証もないことなのだ。
 「もしも今日、命が絶えたら?」
 そんなことを考えても仕方がないことは分かっている。
 だって、今を生きることしかできないのだから。
 けど、たまには考えてしまう。
 名将野村監督は「人の値打ちは、何を残しただ」と言って球界を去っていった。
 ふと思う。「私は何を残せたのだろうか」と。
 手術を前にいささか弱気になっているのかもしれない。

09.10.26 楽しさ

 とある会議でのこと。
 「先生が普段の授業において、生徒さんたちに算数の面白さを伝えるために腐心されているのはどんなところですか」と尋ねられた。
 「このやろ〜!いきなり難しいことふりやがって!!」と思ったが、
 「先ずは自分が楽しむことで酒!自分が楽しければその気持ちは生徒に伝わります」と、偉そうに言わせてもらった。
 もちろん、これは真実。義務感や責任感だけで生徒に教えることはできない。まして、職業としてだけ見ているとすれば(まあ私にはありえないことだが)絶対に生徒に気持ちは伝わらない。
 でも、・・・。
 最近の私は、本当に授業を楽しんでいただろうか?
 ともすれば、義務感だけで生徒に接していなかっただろうか?
 保護者や生徒達から期待された責任の重さに、私の注文に応えきれない生徒達に辛く当たっていなかっただろうか?
 少し反省。もう一度、本来の楽しさを思い出して授業をしたいと思う。

09.10.27 前夜

 手術前日。
 そろそろ絶食モードに突入だ。食べられないと思うだけで腹が減ってくる。
 生まれて初めて体にメスが入る。
 何人かから「大丈夫?一体何事?」とお電話をいただいた。
 心配かけて申し訳ない。
 大袈裟なヤツだと思われても仕方ない。
 でも、嫌だだな〜。
 どうか、無事をお祈り下され!
 不安におののくカッパちゃんで酒た。

09.10.28 入院

 生涯初の入院。
 というわけで、日記の更新はごめんやしておくれやしてごめんやっしゃ〜!

09.10.29 退院

 一泊二日の小旅行。出かけた時の服装はまるでそのもの。
 知人には「どこかにお出かけですか」と訊かれた。
 滞在が長引く可能性もあったが、行かないでとすがる彼女を振り払い、「おいらには帰る場所があるんだ。君のことは忘れないよ」と、半ば強引に帰宅した。

 手術自体は1時間30分ほどだった。
 腰椎麻酔を射たれ、次第に下半身の感覚がなくなる。
 一瞬「お前ら俺に何をした!」と叫びたい衝動に駆られたが、直前に説明受けたばっかりだった。まさにまな板の上のカッパ。
 それにしても麻酔の威力はスゴイ。
 執刀医に「もう切っていますよ」と言われても、全く気が付かなかった。
 痛くもかゆくも何ともない。手術中、居眠りをしていたほどだ。眠ったかと思うたびに「大丈夫ですか?痛くないですか」と美人看護師が声を掛けてくれるのが、正直嬉しいような悲しいような。
 意識はあるのに、何をされているか分からない。当然ながら、気の弱い私には、自分の施されている術を見る勇気はない。だから目をつぶっていたのだが、すると眠くなってしまったのだ。
 しかし、医者同士の世間話に付き合わされるのにはいささか閉口した。「ねえ」と言われれば愛想もしなくちゃなんないし。

 手術は無事終了。ハニーが待つ病室に戻る。
 試練はそれから始まった。
 足の感覚はまだ無い。
 ハニーが足の裏をくすぐっても、何をされているのか全然分からない。
 次第に感覚が戻ってくる。と同時に、痛みが走る。
 ついに来た!これに堪えねばならぬのだ。
 ハニーは、学生スタッフ急病のため、かわりに事務所でお仕事。
 話し相手もおらず、する事もないから、ずっと携帯をいじっている。(高校生か?)
 まだるっこしい作業に疲れ、少し眠たくなる。
 断続的に襲って来る痛みに耐えながら、少しまどろんでは目覚め、寝返りをうとうと試みては力尽き、また浅い眠りの中に・・・。
 日頃の睡眠不足が解消されるから、初めは好都合かと思っていたが、人間そんなに眠れるものじゃない。
 そんなことを幾度かくり返し、気が付いたら午前3時だった。
 深夜の病院。まるで大きな生き物だ。一見静寂を保っているようにも思えるが、実は眠っていない。看護師さん達は巡回しているし、ナースコールはひっきりなしだ。救急車のサイレンも聞こえてくる(ここは救急指定病院)。
 そもそも入院中の人で、熟睡している人はどれほどいるのだろうか?同室の人も、眠れないのかテレビを付けているようだ。
 ふと、父の入院時代を思い出した。父もなかなか眠れないとよくこぼしていた。

 明け方になって少しまどろむが、それも束の間。賑やかな声で起こされる。
 どうやら、本格的な朝が来たようだ。
 40時間ぶりの食事。ごく普通のクロワッサンがやけに美味しく感じられた。
 心配していた歩行訓練はさほど苦痛を伴わずに行えた。
 よ〜し。退院だ。世話になったぜ。あじゅ〜!

 動作が鈍く、ややもすれば激痛が走るが、何とか歩いて家に辿り着けた。
 しばらくは、ガマンの日々だ。アルコールもお預け。
 まあ仕方がない。無事の生還を心から喜びたい。

 ところで、何の手術かって?ここまで書いておいて秘密もないだろう。
 中にはとんでもない誤解をしている保護者や生徒もいるようだし。
 「鼠径ヘルニア」いわゆる脱腸だ。私のは内鼠径ヘルニアで、術式はメッシュ&プラグ法というものだったらしい。

09.10.30 別離

 知人が死んだ。
 訃報を受けたのは昨晩のこと。我が耳を疑ったが、今日の葬儀は間違いなく彼のものだった。
 彼と私は同じ年。大学も同じで、職場も同じだったこともあり、若い頃は毎晩のように遊び回っていた。無責任でどうしようもなくいい加減な男だが、気のいいヤツだった。
 最期に呑んだのは、20年ほど前になるだろうか。
 (おそらく誤解なのだろうが)あることがもとで、絶縁状態になったきり会っていなかった。真相はとうとう分からず終いだった。
 「ばかやろ〜!」と棺の中に横たわる彼に向かって小さく叫んだが、返事はない。
 奥さんの「彼との生活は楽しい20年間でした。大変なこともあったけど、彼となら笑いながら乗り切れると思っていました。私は彼の妻であったことを、息子達は彼の息子であったことを嬉しく思っています」との言葉には涙をこらえきれなかった。
 家族を残して先に逝くもんじゃない。同級生の死を目の当たりにしてつくづく思った。
 

09.10.31 復活

 今日から職場復帰。幸い授業は少なく、立っている時間もわずか。痛みに襲われることはなかった。
 ただ、大きな声を出した時はピリッと来た。
 生徒諸君よ。しばらくは大声を出させないでおくれ!

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