<700> 2006.10/9〜2006.10/15
 おかげさまで、このHOPES通信も700号を迎えました。500号が2002.7/1,600号が2004.8/19だったので、順調に号を重ねてきております。まあ、毎週出しているので当然といえば当然なのですが、生徒や保護者の方々のご理解とご協力なくしてはとても続けることはできなかったと思います。紙面を借りてではありますが、お礼を述べさせていただきます。本当にありがとうございました。
 私がこの欄を書くようになって10年程になります。最初の頃は書くことが思いつかず、ずいぶん困ったものです。その頃は、(あくまでも生徒達のことが主でしたが)家族(=主に息子達)や天候に関する話がやたらと多かったように思います。書けずに終わった週も何度もありました。毎週欠かさずに書けるようになったのは、ここ3,4年のことです。ホームページにコメント集のコーナーを作ったことで、卒業生や以前の保護者の方々からも「読んでますよ」と言っていただいたのが大きな励ましになったと思います。文章は相変わらず稚拙なままですが、最近は以前程書くことが苦痛ではなくなってきました。(慣れというよりマヒですかね。恐ろしい?!)さて、はたして何号まで書き続けることができるでしょうか。1000号となると約6年後。私は52才。う〜ん、微妙ですね。体力の衰えは仕方がないものと諦めるとしても、気力まで萎えてしまわぬように頑張っていきたいと考えております。これからもどうぞ応援よろしくお願いいたします。
<701> 2006.10/16〜2006.10/22
 どういう経緯かはわかりませんが、新聞社の取材を受けました。ある夕刊紙(けっこう有名?)です。電話で取材申し込みがあったときは、何かの間違いかと思いましたが、とりあえず会ってみることにしました。
 インタビューを受けるのは生まれて初めてです。教育関係の特集記事だそうで、最初に「教育方針は何ですか」と尋ねられ、いきなり緊張してしまいました。目の前ではテープレコーダーが回っています。変なこと言ったら取り返しがつかないのではないかと思い、慎重に言葉を選ぼうとすればするほど、適切な表現が見あたりません。まるで、授業中に当てられても答えられない生徒の心境です。普通にしていて下さいと言われたのは、私が取り乱しているのが分かったのでしょうね。しかし、カメラを向けられたら、そりゃ上がりますよ。最後まで緊張したままで、何をどう話したかあまりよく覚えておりません。ただ、趣味は?「日本酒で酒」。座右の銘は?「努力に勝る天才なし」。と答えたのだけは確かです。時間にして30分ほどだったのでしょうが、やたら長く感じました。
 さて、実はこれからが本題でした。「これを記事にいたしますので、一度見ていただいてOKならば新聞に掲載します。つきましては、協賛していただけたらと思うのですが」と言うのです。え?協賛??・・・と言うことはお金がいるのね。なるほど、これで納得がいきました。私はお客さんだったわけです。ま、ここまでおだやかに話していたのに、いきなり態度を変えるのも大人げないと思ったので、とりあえずその金額を聞いてみることにしました。ぶっ飛びました。いくらだったと思います?(実は生徒達にこの話をしたところ、返ってきた答えで一番高いものが5万円でした)なななななんと、100万円以上(詳しい数字は控えます)なのです。私が世間知らずだったのでしょうが、思わず笑ってしまいました。たった1日の掲載にどうしてそんなお金が出せるでしょうか。いや、実際に出している人はいるのですから驚きです。私には無理です。はい、もちろんお断りいたしました。
 こうして、私のマスコミデビューは立ち消えとなりました。お金を払って載せてもらうのではなく、お願いされて載るくらいにならねばいけないと、(固く)心に誓った私でした。
(実は、新聞にではなく、インターネット上で紹介記事が載ることになりました。また後日報告いたします)
産経関西11月に掲載されました。
<702> 2006.10/23〜2006.10/29
 『アルゴクラブ』というものの存在を知っていますか。「アルゴゲームなら知っているけどな〜」という人がほとんどだと思います。「いや、アルゴゲームも知らないぞ」という人のために、まずはアルゴゲームについて。算数オリンピック委員会やピーター・フランクル氏らが共同で発明・開発したゲームです。ルールは簡単ですが、奥が深く、論理的思考能力はもちろんのこと、集中力・記憶力も必要とし、かつ、人とのコミュニケーションもはかれる素晴らしいゲームです。『アルゴクラブ』は、そのアルゴゲームなどを使って遊ぶクラブなのです。しかし、ただ遊ぶだけではありません。ゲームを通じて、子どもたちが持つ好奇心や集中力を高め、論理的思考能力を伸ばしていきます。遊びの効用を活かして子どもたちの可能性を最大限に引き出す事が目的です。
 『アルゴクラブ』は、昨年東京を中心にいくつかの予備校や進学塾でスタートしました。その頃から、私どもにもお誘いはありました。しかし、私の中には、面白い・やってみたいという気持ちと、はたしてやっていけるだろうかという葛藤がありました。結局、不安が勝り、一度はお断りしました。そのような経緯があるにもかかわらず、この度「やっぱりやってみませんか?」と再度誘っていただきました。ありがたい話です。今回は参加することにいたしました。来年2月より開講の予定です。対象は小学校低学年(1年〜3年)です。詳細は後日発表いたします。楽しみにしておいて下さい。私自身わくわくしております。『アルゴクラブ』の正式名称は『算数オリンピック数理教室』。ホームページは、アルゴクラブです。
<703> 2006.10/30〜2006.11/5
 先日行いました教育講演会。ご多忙中にもかかわらず、参加下さった方々ありがとうございました。
 今回も素晴らしいお話を伺うことができました。
 まず、冨士中学校の創設目的からお話しになりました。生徒一人一人を目の届く範囲で伸ばし、力をつけていく。そのために少人数制をとっている。と、ここまで聞き、私がなぜ冨士に魅せられているのかが分かりました。HOPESと似ているのです。私達の理念は、生徒一人一人を理解し、それぞれの夢や希望がかなうよう、その手伝い・応援をすることです。それと冨士のスタイルには共通しているものが多いと、以前より感じていました。しかし、それは大きな勘違いでした。私の思い上がりでした。私どもと冨士中学校では、生徒に対する思いの深さが違います。徹底的にかかわりますよと標榜しておりながら、私の心の中ではどこか冷めている所がありました。言っても分かってもらえないなら、もういいやって諦めてしまうことがありました。もちろん何度も何度も言います。けれど、結果的に理解されないのであれば、それは何もしていないのと同じこと。それを仕方ないと考えるか、よし、この方法がダメなら、今度はこうやってみようと根気強く努力するか。一見無理に思えるようなことでも、諦めずに取り組んでいく。実際に行っておられる様子を伺っているうちに、何と自分が思い上がっていたかと恥ずかしくなりました。生徒達はいつも先生を見ています。無理と決めつけてしまう姿も、諦めないでやってみようと頑張る姿も。「教師は生徒達に生きていく力を与えることが仕事だ」と、校長先生は仰りました。私の悲観的な態度は生きる力を与えるどころか、奪っていたのではないでしょうか。大いに大いに反省しました。さらに、冨士では生徒の希望を叶えるために一人一人のシラバスが存在すると言うではありませんか。驚くとともに感動しました。私どもにも生徒達の夢をかなえるためのシステムはあります。しかし、それを示したシラバスは存在しません。早速導入を検討したいと思います。
 生徒達の生きていく力を高めるために、寮教育がいかに役立っているかを校長先生は分かりやすく説明して下さりました。子ども達が、自分の夢を探しながら未来を切り開いていくためには何が必要か。学力は子ども達ががんばる力(先生は生きていくための武器と仰りました)の一つである。そして、学力は生活力の上に成り立っている。生活力を身につけるには、寮は最適のシステムであると。その素晴らしさは、十分に理解できました。しかし、多くの保護者は頭の中では良さが分かっていても、いざとなると踏み切れずにいます。私もそうでした。そこで、あえて「家庭で寮に代わる何かを行うことは無理でしょうか」と質問してみました。「家庭が寮の代わりになることは難しい。なぜならば、例えば寮で何か一つのことをしようとしたとき、まず抵抗する者が存在する。そしてそれを認める者もいる。何事も楽にはできないが、それを成し遂げたときその評価がはっきりと示される。目標・模範となる先輩もいる。苦労するからこそ、相手の辛い気持ちも理解できる。強くなれる=優しくなれる」と、先生はお答え下さいました。「しかし、親ができることもある。それは、子どもの夢や希望をいっしょになって考えること。押しつけず、相手の立場で考えてみる。その上で、価値観を教える(分からせる)必要がある」と、お示し下さいました。
 他にも実に多くのことを教えて下さったのですが、その全てを紙面に再現しお伝えすることは、私の拙い筆力では到底無理です。講演の一部をビデオに撮影いたしましたので、ご希望の方には貸し出しいたします。お申し込み下さい。
<704> 2006.11/6〜2006.11/12
 最近好天が続いたからでしょうか。季節感をなくしておりました。しかし早くも11月です。これはまがう事なき真実。入試まで2か月と少しとなりました。
 なのに6年生諸君。一体何を考えているのですか。何度も何度もくり返し言っていることなのに、まだ分かりませんか。君達の今の勉強方法では、力はつきません。復習が甘すぎるのです。楽な方へ楽な方へと走っています。ていねいに解き直すという意味が分かっていますか。例えば漢字一つを例にあげてみても、書けないのは意味を知らないから。なのに、辞書一つ引こうとしない。中には書き直すことすらしない人もいる。見て覚えようとしている。見ただけで覚えられるのであれば、既に書けるようになっているはずです。いまだに何度も同じまちがいをするのは、その場しのぎの勉強をしているから。その時は覚えた気になっていても、実際には何一つ身についていないのです。もちろん、漢字だけではありません。全てに共通していることです。「だって時間がないんだもん」と君達は言うのでしょうか。確かに時間は多く残されてはいません。でも、考えてごらんなさい。ていねいにやれば1時間かかることをたとえ40分で済ましたとしても、それは20分の節約にはなっていないのですよ。完全にできるようになっていないのであれば、40分のロスにすぎません。1分1秒が大切なこれからの時期に、何という恐ろしい事をくり返しているのでしょう。もう一度言います。慌ててはいけません。焦ってもいけません。ていねいに解き直す。これしか力をつける方法はありません。
 さあ、あと75日。大逆転を見せてください。あきらめないで、がんばれ!
<705> 2006.11/13〜2006.11/19
 実は今回の年間休講日、大変なことが起こっていました。出口先生が体調を崩し、急遽入院することに。数日前からしんどそうにしていたのですが、病院では風邪との診断。それにしてはえらい顔色が悪いな〜と不審に思いつつも、本人も私もまあ大丈夫だろうと楽観しておりました。ところが、事態は思っていたより深刻だったようです。すぐに入院して検査をすることになりました。
 原因が分からないので、長期の入院になるかもしれません。しかし、あまり悪い方には考えたくなかったので、とりあえず時間割の科目を変更して、急場をしのぐ事にしました。
 幸い1週間ほどで退院。現在は順調に快復しているようです。さほど混乱もなくて済みましたが、一部の生徒や保護者の方にはずいぶん心配をおかけしました。申し訳ありませんでした。隠すつもりはなかったのですが、途中経過を伝えても動揺させるだけかと思い、私の判断で伏せておりました。
 今回のことで、私も反省いたしました。人間はいつも健康でいられるとは限りません。私たちもいつまでも若くはない。いや、自分ではまだ若いつもりでいるのですが、無茶の効かない年令になったのでしょう。普段からもっと摂生に努めなければいけません。けれど、不測の事態は起こるもの。アクシデントに対する備えがあまりにもおろそかでした。では具体的に、一体どうすればよいのでしょう。メンバーをもっと増やせばよいのでしょうか。確かにその必要はあるかもしれません。しかし、彼の代わりをつとめることができる者は絶対にいません。今回のことで改めて痛感しました。この問題に関しては、今後真剣に検討していきたいと思います。
<706> 2006.11/20〜2006.11/26
 急に寒くなってきました。教室には暖房を入れ、我が家にも暖房器具が登場しました。つい最近までクーラーをかけて授業をしていたのがうそのようです。
 風邪を引いている生徒も多いようです。細心の注意を払って予防に努めて下さい。うがい・手洗いの励行だけでも大分効果はあるそうです。受験生にとっては、これからの体調管理が今まで以上に重要になってきます。予防注射はもう済みましたか。2回射たなければならないケースもあるようなので、体調の良いときに早めに終わらせておきましょう。私も射とうと思っています。なお、体調が悪いときは無理せずに十分休養をとること。何と冷たいと思われるでしょうが、咳がひどい場合などは帰宅させることがあります。予めご承知おき下さい。
 さあ、体力・気力とも充実させてあと2ヶ月を全力で駆け抜けましょう。
<707> 2006.11/27〜2006.12/3
 先週のことです。5年生が教室に入ってくるなり、興奮気味に「変なオッサンに大声出され、追いかけられた」と言うではありませんか。よく聞くと寺田町の駅構内でのことだそうです。
「なんで駅員に言わへんかったんや?」
「とにかく逃げてきてん」
とっさのことだし、仕方なかったのでしょう。幸い、危害は加えられなかったのですが、さぞ恐かっただろうと思います。他の生徒に聞くと、その男は別の人(女性)にも何か言いがかりを付けていたとのこと。酔っていたのでしょうか、とにかく正常な精神状態ではなかったのでしょう。それにしても物騒なことです。今の世の中、絶対の安全はありません。信じられないような事件が次々に起こっています。いつ自分が被害に遭うかもわかりません。用心するにこしたことはないのですが、では一体どうすればよいのでしょう。
  1. 知らない人に声をかけられても相手をしない。
  2. 危害を加えられそうになったら、すぐに大声で近くの人に助けを求める。
  3. できるだけ単独行動は避ける。
  4. 周りにいつも注意をはらっておく。不審者には近づかない。
考えられる対策としては、この程度でしょうか。安全については、ご家庭でも一度よく話し合ってみてください。
<708> 2006.12/4〜2006.12/10
 ビデオカメラが故障しました。3週間ほど前の話です。電源は入るものの、その後一切作動しません。幸い、撮影した授業はダビング済みだったので助かりました。
 それにしてもよく壊れます。ビデオカメラだけでもう5台以上買い換えています。ダビング用のデッキも2台壊れました。最初は我が子の成長を記録するためでしたが、いつの間にか授業に出席できなかった生徒用になってしまいました。その間の機械の進歩には目を見はるものがあります。カラービューファインダーになり、デジタルビデオが登場し、今やハードディスクですよ。さらにハイビジョンや無線通信などもっと進んでいくのでしょう。いやいや、感心している場合ではありません。よく壊れると嘆いているのです。まあ、週に10時間以上も撮り続けているのですから、仕方ないのかもしれませんが・・・。
 そのビデオカメラが明日返ってきます。いや、正確に言うと、別の品物になって戻ってきます。すぐに修理に出したのですが、2,3週間はかかるとのこと。大至急でお願いしますと言うと、「じゃ、1週間で」となりました。ところが、結局2週間経っても音沙汰なし。やっと入った連絡は「メーカーに部品がないため、いつ直るか分かりません」ですと。おとなしい私でも怒りますよ。どう考えてもおかしい。その対応には納得できかねるとの旨を改めて伝えると、「それでは交換します」ということになりました。
 う〜ん。今一つスッキリしない結末でした。何でもっと迅速に対応できないのだろう。苦情が来てから対策を講じるのでなく、こういう事情ですから○○いたしますと、どうして言えないのだろう。対応した人間のスキルにもよるのかな、等といろいろ考えているうちに、ふと我が身をふり返り、背筋が寒くなりました。
 私は保護者の要求に応えられているのだろうか。生徒たちの悩みを解決できているのだろうか。反省しなければいけないことが多いと思います。今度の保護者会には、もう一度よく考えてから臨もうと思います。
<709> 2006.12/11〜2006.12/17
 先日の全体保護者会には、ご多忙中にもかかわらず多数参加頂き(3年生と6年生はほぼ全員出席下さりました)、誠にありがとうございました。
 3〜5年生の部では、各学年の現況と問題になっている点を中心に申し上げました。全体としては、生徒たちの意欲は向上しています。授業にも活気があります。しかし、ほんの一部ではありますが、ただ人に言われてやっているだけの生徒がまだいます。復習も宿題もすべてが中途半端です。全くしてこない者は論外ですが、やってはいるものの、解答チェックもできていない。これでは質問のしようもありません。当然ながら学習効果は現れません。そんな彼らに共通しているのは、MYDOノートを活用できていないことです。計画性と自主性は比例します。本人の意識の差、自覚の問題と片付けてしまうのは簡単ですが、それでは進歩はありません。まずは、自分で目標を設定すること。どんなことでも構いません。そしてその目標の実現に向けて努力してみることです。あきらめないでもらいたいと思います。
 6年生は今回が最終回でした。入試を迎えるにあたっての諸注意、親としての心構えなどを中心に話しました。しかし、今年の6年生は考えが甘い。学習の量はそこそここなしているようですが、質が足りません。ていねいに仕上げていこうと、何度言ったことか。それでも効果はありませんでした。ほとんどの生徒がやりっ放し。とりあえずやっているだけのような状態です。志望校の過去問の取り組みも例年より遅れています。いつもならば、この時期は質問の行列ができます。けれど、今年はさっぱりです。分からないところは徹底的にやって、完全に理解しておくべきなのに、点数に一喜一憂しているだけのように思えてなりません。この期に及んでまだ何とかなるだろうと思っているのでしょうか。入試はそんなに甘いものではありません。本人の情熱と積み重ねてきた努力の量とに比例して結果は決まるのです。今こそ必死になるべき時です。結果が出てから泣き喚いても、もはや遅いのです。大げさではなく、1分1秒を惜しんで弱点補強に努めてください。

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