<1330> 2020.2/3〜2020.2/9

 新学年が始まります。生徒諸君は今どんな気持ちでいるのでしょうか。「よ〜し、やったるぞ」と気持ちを新たにしている人ばかりなら良いのですが、中には「大変そうだな〜、やっていけるだろうか」と不安を覚えている人もいると思います。その気持ちは分かります。誰でも未経験のことに対しては臆病になるものです。しかし、心配は要りません。もちろん、楽なことではありませんが、これまでもみんなやってきたことなのです。あなただけが特別なわけではありません。最初は戸惑うこともあるでしょう。そんな時は遠慮無く尋ねて下さい。無理のないようにやっていきましょう。
 ただ、これだけは言っておきます。特に5年生と6年生のみなさん。目標を持って下さい。目標なくしては、がんばることはできません。目標が決まれば、それに合わせた計画を立てましょう。そして、計画が立てられたなら、あとはその計画を実行していくだけです。困ったことや上手くいかないこともあるでしょうが、その時はいくらでも相談して下さい。「やってやれないことはない。やらずにできることもない」強い意志を持って臨んでいきましょう。

<1331> 2020.2/10〜2020.2/16

 生徒たちの国語力の低下については、いくどかこの欄でも書かせていただきましたし、保護者会などを通じて(私見ですが)その対策を申し上げてまいりました。しかし、絶対的な方法があるわけでもなく、依然として頭を悩まし続けております。
 先日、知人で長年国語の教師として教鞭を執っておられる方にお目にかかった際に、この悩みを打ち明けたところ、いくつかのアドバイスを頂きました。生徒たちに実践させれば国語力の向上に効果があるに違いないと、目から鱗が落ちる思いで伺っておりましたが、ふと、私が又聞きで伝えるよりは、生徒たちや保護者の方々に先生から直接お話しいただいた方がはるかに良いだろうと思いつきました。そこで、講演をしていただけないかとお願いしたところ、快くお引き受け下さいました。
 一人でも多くの方に聞いて頂きたいと思い、講演会は春休み中に行うことに致しました。
HOPESの在校生及び卒業生とその保護者であれば、どなたでも参加していただけます。詳細は下記をご覧下さい。

<1332> 2020.2/17〜2020.2/23

 ようやく暖かくなりつつあります。例年ならば、風邪やインフルエンザも終息し、ほっとできる頃なのですが、今年は全く安心できません。生徒達にも未だにマスク着用を強制せねばならない有様。
 そうです。新型コロナウイルスの影響です。私は全くの門外漢ですから、今後の見通しなど全く分かりませんが、もしかしたらこれから蔓延し、とんでもない状況に陥るかも知れません。そうならぬ事を願うばかりです。
 予防対策としては、手洗い・うがい・外出時のマスク着用と、従来のインフルエンザ対策とほとんど同じらしいのですが、気をつけなければならないのは、接触感染。無闇矢鱈とあちこちを触らぬ事だそうです。ドアノブ・電車の吊革・エレベーターのボタンにまでも、注意すべきだと言われています。こればかりは、個人個人の意識の問題でしょう。自分には無関係などと楽観せず、防げる厄災からは身を守る、少し意識を高めるだけで危険を回避できる、ということを忘れずにいて欲しいと思います。

<1333> 2020.2/24〜2020.3/1

 早いもので2月も今週で終わり。梅の花も満開で、本格的な春の到来を予感させる心躍る季節となりました。しかし、私の心はスッキリしません。悩みの種はもちろん生徒達の事。特に5年生と6年生が深刻です。一緒にすべきではないのでしょうが、共通していることも多いので、まとめて書かせて頂きます。
 先ず、学習に対する意識の低さ。誰のための勉強なのか、何のための勉強なのかが、全く分かっていません。目標設定も曖昧ですから、計画性はゼロ。行き当たりばったりのことをくり返し、絶えず何かが足りないため、毎回同じような注意を受けています。注意する私もたいがい嫌になっているくらいですから、本人はもっと苦痛なはず。なのに、改まりません。信じられないほど低レベルなバトルが、私と彼らの間で繰り返されています。
 次に、これは非常に申し上げ辛いことですが、現実を甘く考えている者のなんと多いことか、です。子どもだから仕方ない?慥かにある程度は仕方ないかも知れません。しかし、努力をせずに結果ばかりを求めるのは明らかにおかしい。虫が良すぎると言わざるを得ません。子どもは成功体験が少ないからがんばれないのだ、と言う意見も聞きますが、私は逆だと思います。がんばらないから成功しない。いや、何かを成し遂げるまでがんばり切れない、歯を食いしばって踏ん張る事をしないから、達成感も得られないのだと。極論でしょうか。時代錯誤も甚だしいとお叱りを受けるかも分かりませんが、何とかなるさでは何も成せない、世の中はそんなに甘くないことを、子ども達に教えるのは大人の役目ではないでしょうか。
 精一杯の努力。私が生徒達に求めたいのはこの一点です。一生懸命がんばれば、必ず何かが変わります。その意味では、努力は必ず報われるのです。私はそう信じております。

<1334> 2020.3/2〜2020.3/8

 困ったことになりました。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が全学校の休校を要請。大阪府下の小学校は全て休校になりました。それだけではありません。塾に対しても授業中止の要請が出されているのです。
 慥かに、感染拡大を防ぐには集団での行動は控えるべきです。どこで感染するか分からない現状では、外出も極力控え、安全な場所から一歩も外に出ないのが賢明でしょう。しかし、それをいつまで続ければ良いのか。政府は取りあえず2週間と指定していますが、果たしてどうなのでしょうか。当然、春休みを見越してのことでしょう。もしかしたら、4月になっても外出自粛期間が継続されるかも知れません。その間、ずっと授業を休止していたら・・・。受験はほぼ不可能になってしまいます。
 非難を受けることは覚悟の上ですが、私は授業を行おうと考えております。今のところ予定通りに春期集中講座も行うつもりです。ただ、今後は状況を見ながら対応させて頂きたいと思います。ご理解とご協力の程、どうかよろしくお願い申し上げます。体調不良の場合は無理をなさらず、通塾の際には、万全の注意を払って下さるようお願い致します。

<1335> 2020.3/9〜2020.3/15

 先週はこの欄に「授業は平常通り行います」と書いたのですが、大丈夫だと思いたい気持ちよりも不安の方が勝ってしまい、結局、休講にすることに致しました。休講の期間は、取りあえず3月15日(日)まで。それ以降は状況を見ながら判断したいと思っております。それまでに、終息していることを願うばかりですが。
 それにしても、全学年の休講なんて、開設以来初めてのことです。「10日以上もお休み。良いな〜!」なんて思わないで下さいね。休みだからと言って、楽ができるわけではありません。生徒諸君の学力を低下させないために、授業は行います。(ただ、相手はいません)授業は全てビデオに撮影し、DVDにダビング(または、インターネットで配信)してお渡しする予定です。その作業に一体どれほどの時間が必要なのかは、まだ分かりませんが、翌日には完成させて生徒諸君が自宅で学習できるようにしたいと考えておりますので、かなり忙しくなることは確かでしょう。
 無人の授業をしてみましたが、やはり違和感が残ります。本来ならば、生徒達の反応を見ながら説明に強弱をつけて行うべきところを、多分こうだろうと想定して話すわけですから、必要以上に多くのことを説明しなければなりません。また、生徒が理解したかを確かめられないため、その意味で不安はあります。ただ、生徒の方にはメリットもあります。普段の授業では、時間切れになり答えを出せずにいる場合でも、ビデオならば再生と停止をくり返しながらじっくり取り組むこともできるでしょう。分からなければ巻き戻すという手もあります。もちろん、本来、授業は生で受け、その場で理解するのが理想ですが、どうせなら滅多にないこの機会(?)、有効に活用してもらいたいと思います。

<1336> 2020.3/16〜2020.3/25

 一体どうなるのでしょうか。ニュースは新型コロナウイルスの事ばかり。インターネットも然り。さまざまな情報が飛び交い、何を信じれば良いのか、デマなのか真実なのか。もう訳が分からなくなってしまいます。
 状況が予断を許さないことは確かですが、いつまでも休講にしているわけにもいかず、授業を再開することに致しました。詳しいことは、先日の全体保護者会で申し上げた通りです。私どもは少人数のクラスですから、個人個人が衛生に関しての意識を高めれば、感染のリスクは極めて少ないだろうと考えられます。しかし、世の中に絶対大丈夫はあり得ません。何が起こるか分からない状況であることを各自が十分認識し、感染予防には最大限の注意を払っていきましょう。この危機を乗り切るには、生徒諸君、及び保護者の方々のご理解と協力が絶対に必要です。どうかよろしくお願い致します。
 生徒諸君。いつまでも時間が十分あると思ったら大間違いです。これからは確実に忙しくなります。先ずは、授業再開に当たって、今一度気持ちを引き締めることです。君たちに真剣さが感じられない場合は、厳しく対処していきますので、ご承知下さい。

<1337> 2020.3/26〜2020.4/5

 私にとって大きなイベントが2つ続きました。
 1つは毎年恒例の卒業記念パーティ。楽しい時を過ごせたのは言うまでもありませんが、生徒たちと保護者の方々の心のこもったはからいには胸が熱くなりました。本当にありがとうございました。
 もう1つは教育講演会です。上嶋千春先生をお招きし、なんと9年ぶりの教育講演会の開催となりました。新型コロナウイルスの感染拡大が取り沙汰される中、延期も検討致しましたが、思い切って断行させていただきました。
 素晴らしいお話を伺うことができました。上嶋先生とは旧知の仲ですが、今回ほど感謝したことは今までにはありません。と申しますのも、話された内容が全て生徒と保護者を思ってのことばかりだったからです。40年にわたる教師生活の豊富な経験からと、専門でいらっしゃる中国哲学から身近でわかりやすい例を取り上げ、熱く語って下さいました。
 先ずは学校選びについて。人は自分の経験でしか判断できない。合う合わないは必ず起こる。十人十色とはよく言ったもので、万人にとって良い学校というものは存在しない。その中でも、良き師との出会いは大切である。教える立場としては、これまた万人に適した方法など存在しないから難しいのだが、それでも貶すよりは褒めた方が良い結果につながるのは確かだろう。と、言われました。生徒には向き不向きがある。短期記憶と長期記憶の違いについても触れられ、その違いを認識して指導すべきだと仰ったときは、成る程と思うと同時に、少々耳が痛かったです。生徒が伸びるには、何よりも先ず本人がその事を好きになることが大切であり、「好きこそものの上手なれ」とは至言で、無理強いしても何も得られない。と、この点はかなり強調されていました。読書に関しても然りで、先ずは具体的なもの(物語)から手を着ければ良い。そこから抽象的な内容に発展できれば良いが、それが難しい子もいる。慌てずに、好きなことから、得意なところから取りかかってゆけば良いのだと。
 また、一般に成功するには「天・地・人」が必要と言われるが、天とは時代であり、地は世界、人とは人の和のことだと教えて下さりました。タイミングも関わって来るのだから、慌てる必要は無いと言われ、何が何でも中学入試というリミットに間に合わせなければと、力んでしまっている私にはこれまた耳の痛い話でした。保護者の中にはこの話に安堵の色を浮かべながら頷かれている方も見受けられました。入試は信じることが一番、けれど学問は疑うことから始まる。全く私も同感です。生徒達にこのことが全く伝わっていないのがとても残念ですが。
 話の内容は多岐にわたりました。この限られた紙面の上で、また私の拙い筆力でそれを再現することは到底無理ですが、お人柄が良く表れた心温まる講演だったと、いまこの欄を書きながらも、改めて感じております。当日、参加が叶わず、悔しい思いをされた方もいらっしゃるでしょう。ご希望の方はお知らせ下さい。YouTube(限定公開)でご覧頂けるようにと考えております。

<1338> 2020.4/6〜2020.4/12

 春期集中講座が終わろうとしています。ここまで無事に行えたことに感謝したいと思います。これも偏に、保護者のご理解とご協力があったからのことです。ありがとうございます。予断の許されない状況が続きますが、今後も気を引き締めて臨んでいきたいと思います。よろしくお願い致します。
 生徒諸君。学校に行けない、外にも出られない等、いろんな制約があり、ストレスもたまるでしょうが、今は辛抱の時じゃないでしょうか。こんな状況の中でも勉強ができるのは幸せなのです。刹那的すぎると言われるかも知れませんが、君たちが「当たり前」と思っている事の多くは、実は非常に「ありがたい」事なのですよ。一度考え直してみてはいかがでしょうか。う〜ん、けどまだ難しいかな?

<1339> 2020.4/13〜2020.4/19

 「緊急事態宣言」がついに発令されました。初めてのことで生徒諸君はピンと来ていない人が多いでしょうが、実は大変な状況なのです。「そんなこと言ったって、ぼくらには関係ないやん」と他人事のようにのんびり構えている人もいるでしょう。(1月前までは、日本中の殆どの人がそうでした)しかし、外国のケースを知っていますか。日本だって同じ状況になるかも知れないのですよ。いや、日本だけはそうはならないと考える方が、むしろ不自然ではないでしょうか。
 学校は休校。(春休みが延びて嬉しい!なんて考えてはいないでしょうね。その分、今後は確実にハードなスケジュールが待っているはず。例えば、最悪、夏休みがなくなったりね)塾には自粛要請が出されています。しかし、そんな中でも私は授業を行っています。批判や非難は承知の上です。馬鹿じゃないの?と言われるのも覚悟の上。何故だか分かりますか?偉そうに思われるかも知れませんが、生徒諸君。全ては君たちのためになのです。
 どんな状況になろうとも、中学入試は必ず行われます。しかも、中学入試は1回限りの期限の定まったレースです。やり直しは利きません。間に合わなければそれでお終い。いくらその学校で学びたくても認めてはもらえません。そして、その入試を乗り越えるためには準備が必要です。(昔とは違い)現在の入試は、どんなに賢い人でも生まれつきの能力だけではクリアーできません。では、その準備には何が必要なのか。そう、もうお分かりですね。徹底した練習及び復習です。そのために授業があるのです。そして、ここを勘違いしている人が多いのですが、授業にただ参加しているだけでは力は着きません。ぼんやり説明を聞いて、板書された図や式を写すだけでは、次に正解が出せるようには絶対になりません。私が授業中に君たちに厳しいのはそのためです。
 少しだけ授業を再現してみましょうか。
「さあ、次の問題を解いて。さっきの問題と殆ど同じだからできるはずだよね」私がこう言うと、君たちは問題に向かいます。しかし、解説が始まる前に答えを出そうと必死に考えている人は少ないです。中には答えを待っているだけの人もいます。この段階で注意を受けているようでは、授業に参加していることになりません。ただ座っているだけです。解説が始まります。私は全員ができるまで待ちはしません。ですから、考えている途中で説明を聞くことになる人も中にはいます。解説を聞いているときに、また差が生じます。自分が書いた図と私の図との違いや、自分の立てた式と正解にたどりつける式とを比べている人なら大丈夫。今回間違ったとしても、次に似たような問題に出会ったときに、自分の過去の失敗を活かすことができます。理想は、授業中にこの段階までを終わらせることです。しかし、説明を聞いているときは分かった気がしていても、いざもう一回となると分からない、と言うのもよくある話。そこで必要になるのが復習です。ただ、授業中ぼんやりと聞いたり写したりしているだけの人は、復習ができません。また写すだけになってしまいます。そして、最後に宿題です。宿題は何のために出されているのか。分かっていない人が多いですね。宿題は、自分が理解したどうかを確認するためにあるのです。ノルマではありません。勘違いしないで下さい。受けた授業を確実に自分のものにするために宿題をするのです。
 少々、長く書きすぎてしまいました。この非常事態に危険を冒してまで授業をしているのです。君たちが真剣になってくれないことにはやっている意味がありません。特に6年生諸君。早く目覚めて下さい。

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