<840> 2009.9/14〜2009.9/20

 奈良学園中学校・高等学校の学校説明会に行ってまいりました。今回は新校舎のお披露目もかねているので、会場は学校でした。工事に取りかかって2年。どんな校舎が完成するのか、私もかねてより楽しみにしており、ワクワクした気分で出向きました。張り切りすぎて、会場には少し早く着きすぎました(1番乗りでした)が、おかげでゆっくりと見学することが出来ました。
 素晴らしい校舎でした。新しいからきれいなのはもちろんですが、随所に工夫が凝らされていました。何でも生徒達の意見をかなり取り入れたそうです。とても開放的な空間になっていて、周りの環境の良さも手伝い、まるでリゾート地のホテル(行ったことはありませんが)のようでした。生徒達も心なしか生き生きとしているように感じられました。どの生徒も明るく挨拶をしてくれ、ピカピカのフロアーで足を滑らせた私にも優しく微笑んでくれました。奈良学園は、文武両道をモットーとした進学校で、今年で創立30周年を迎えます。私はそののびのびとした教育方針が好きで、教え子達にも勧めてまいりました。ただ、問題は立地条件の悪さ。やや不便な土地にあります。と言っても天王寺からだと50分弱。来春からは通学バスも増発され、アクセスも大分改善されるようです。ぜひ一度見学されることをお勧め致します。
 奈良学園に限らず、これからは学園祭や体育祭のシーズンです。低学年の皆さん。この機会にいろいろな学校に出かけて下さい。そして、何かを感じとって欲しいと思います。ただし、お出かけの際はマスクをお忘れ無きよう、お願いします。

<841> 2009.9/21〜2009.9/27

 先日の全体保護者会には、ご多忙にも関わらずご参加下さり、誠にありがとうございました。夏期集中講座を通じて、私が感じたことを率直に述べさせてもらいました。いつも正直に言いすぎて、保護者の方が辛い思いをなさることが多く、実は私も心苦しいのですけれども、今回も耳の痛い話だったと思います。
 生徒たちの気質は昔とは明らかに変わってきています。私が指導を始めた30年ほど前と比べるのは適切ではないかも知れませんが、一言で申せば自発的に行動できる生徒が少なくなったと言うことでしょうか。ああしなさい、こうしなさいと、一々言われなければ何もしない。また、辛うじて言われたことはするものの、意欲的に取り組んでいるとは到底言い難い。そのような人がとても多い、と言うよりほとんどがそうです。
 原因は色々考えられます。
 一つは、保護者の過干渉。子どもは自分で考えなくても、保護者が用意した答えを選ぶだけでことが足りる。それに伴い、自己表現ができない子供が増えてきた。表現力が乏しいから、相手に自分の気持ちが伝えられない。しかし、伝える努力をしようとはしない。さらには、相手のことも理解しようとせず、自分と少しでも違う者は排除しようとする。また、仲間はずれにされたくないから、みんなと同じ方が楽だからと、努力しようとしない。その結果、色々なことから逃げ出すようになった。と考えるのは、いささか極端ですが、あながちハズレているとも言えないのではないでしょうか。
 次に挙げられる原因は、目標設定ができていないこと。先ほどの話とも重なりますが、努力をしないから、もっと言えば努力を通じて成功した経験が少ないから、目標を安易に考えがちなのです。目標を達成するためにはどれほどの努力が必要なのかが分かっていないのです。大したことないだろう、何とかなるさと楽観的に考え、なかなか取りかかろうとしない。ようやく始めたかと思うと、今度は予想以上のハードルの高さにいきなり音を上げてしまう。中にはそこで気がつき、真剣に取り組む人もいますが、悲しいかな、多くの人は目標を下げるか、または現実から目を背けてしまいます。やればできるさというのは、やろうとしない者の言い訳でしょう。
 学校選びに関しても、私見を述べさせていただきました。目先の大学合格実績などに振り回されて学校を選ぶのは愚の骨頂です。入学試験の偏差値の高い学校が良い学校というのも保護者の大きな勘違い。その勘違いを子どもに押しつけるから、志望する中学校に入学できたらそれで全てOKなどと本気で思う生徒が現れるのです。愚かな話です。勉強の本来の目的を完全に取り違えてしまっています。勉強の本来の目的とは・・・。いや、止しましょう。ここで述べるには紙面が足りません。
 偉そうにいろいろ申し上げましたが、では一体どうすれば良いのでしょうか。
 何よりも、先ず、行動することだと思います。それも自分の意志で。何もやろうとせずに大きなことを言うんじゃない。決めた以上は実行しよう。ウソやごまかしをするくらいなら、やらない方がはるかにマシ。私はそう思っております。実際に動きだしたら、様々な問題が見えてくるでしょう。それらに対して、絶対的な解決策はありません。逃げずに一つ一つ乗りこえていくしかないのです。こうすれば絶対大丈夫というものはありませんが、こうした方がいいよというものならたくさんあります。その具体的な方法については、これまでも申し上げてきましたし、これからも伝えていくつもりです。(今回は理科の講師の方々にもご登場いただき、効果的な勉強方法を話してもらいました)
 ただ、何よりも大事なのは、自分の気持ちです。どんなに大変なことがあっても、強い気持ちがあれば乗りこえられます。
 6年生諸君。決して諦めないで下さい。楽じゃないのは分かっています。けど、今の苦しみはきっと喜びにつながるはずです。現実から目をそらさず、歯を食いしばってがんばりましょう。  

<842> 2009.9/28〜2009.10/4

 カウントダウンを始めました。関西の統一入試日の1月16日まで、あと111日です。
 この数字を多いと感じるか少ないと考えるかは人それぞれでしょうが、確かなことは、今の6年生はだれ1人として仕上がっている者がいないということです。と言うより、全員が弱点を抱えています。なのに一向に弱点補強に取り組もうとしません。時間がない時間がないと異口同音に訴えますが、私には、やる気がないとしか思えません。たとえば、先週は連休で時間に余裕があったはず。けれども、いつも通りただ言われたことをやっているだけ。中には普段より学習量が少なくなっている者までいました。全く信じられません。一体何を根拠に安心していられるのでしょうか。
 叱るばかりでは生徒は伸びない。そのことは分かっているつもりです。これでもかなり我慢をしてまいりました。しかし、何もしようとしない者たちに、「大丈夫、大丈夫。これからがんばれば良いから」などと気休めを言っても、それこそ何も始まりません。
 泣いても笑ってもあと100日ばかり。いつまでも夢みたいなことを言っていないで、現実を見つめ直し、今何をすべきかを真剣に考えて下さい。そして、今度こそ猛然と学習に取り組みましょう。

<843> 2009.10/5〜2009.10/11

 10月になりました。もう10月ですよ。本当に早い。ついこの前まで夏休みだと思っていたのに何と言うことでしょう。
 ところで、最近、少々行き詰まっております。何となく閉塞感に悩まされているだけで、具体的に何に対してというわけではありませんが、強いて挙げれば、こちらの話を聞こうとしない生徒や保護者に対してでしょうか。
 例えば、授業中に説明を聞かずに「分からない」と言う生徒。「子どもが、授業が分からないというのですが、どうすればいいのですか」と保護者。「授業中の消極的な姿勢が問題ですよ」と私。「じゃあ、どうすれば・・・」と保護者。
 また、6年生のこの時期になって「何からすればよいですか」「しなくてよいものはありません」「でも、できません」「仕方がない。では、これを最優先して下さい」後日、「できませんでした」。
 しかし、まだ尋ねてくれる方がましです。やる前からできないと決めつけたり、ごまかしながら適当にやったりしている者のいかに多いことか。
 まだまだ言いたいことはありますが、解決も図らずに文句ばかり言っていても何も始まりません。一度で分かってもらえないのならば、もう一度言えばよい。それでも伝わらなければもう一度言うしかない。頭では分かっているものの、なかなか実行できずに困っております。あきらめたら終わりと言うことは、生徒たちも私たちも同じこと。根気よく問題を解決していくしかないのでしょうね。

<844> 2009.10/12〜2009.10/18

 台風18号。何年ぶりかの大型台風襲来と言われ、私たちも心配しておりましたが、(と言っても、心配するだけで、これといった対策を講じられるわけもありません。自然の前では人間は本当に無力です)幸い私どもにはさほど影響もなく、無事に通過してくれました。
 その後、一気に涼しくなり、ようやく秋らしくなってきました。そのこと自体は嬉しいのですが、一方心配も増えてきます。ただでさえ、例年この時期は生徒の中に体調を崩す者が増えます。まして、今年は新型インフルエンザが大流行。本当に気が気ではありません。私が心配しすぎるのでしょうか。中には「今のうちに罹っておいた方が良い」と言う意見もあるようですが、本当にそうなのでしょうか。皆が少しずつでも予防に努めれば、感染拡大は免れるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
 それにしても、余りにも無防備な生徒が多く、理解に苦しみます。先日、遠足帰りの小学生の集団に遭遇しましたが、驚きました。誰一人としてマスクを着けていないのです。電車に乗るならマスクは当然と考えていただけに、引率の先生にどうしてつけさせないのかと尋ねようかと思ったほどです。もしかしたら、私たちの生徒も塾内では言われるから着けているだけで、外では着けていないかも知れませんね。人ごみに出るなら、せめてマスクの用意だけでもしておきましょう。

<845> 2009.10/19〜2009.10/25

 今回は5年生のお話。先日の体育の日、早くも第1回合格判定テストを行いました。折角の連休でしたが、午前中はテスト、午後には授業と二度も登塾。休日を楽しむどころではありませんでした。いささか気の毒な気もしましたが、そろそろ彼らにも受験を意識した勉強をしてもらいたいこともあり、時間割を変更することなく強行いたしました。
 さて、合格判定テストで最初に書いてもらうのが志望校です。それを見て私はひっくり返りそうになりました。本気で言っているのかと疑いたくなるほど、みながみな難関校を書き並べています。「きっとこれらは本当の気持ちなのだ」と受けとめるまでにはかなり時間がかかりました。彼らが本気ならば、それを応援するのが私たちの仕事。たとえ困難なことでも精一杯がんばらなければなりません。
 とは言っても本当に先は長そうです。先ずは、彼らの学習に対する取り組み方から改めていかねばなりません。今の彼らには自主性が見あたりません。積極的に取り組んでいる者もいますが、わずかです。ほとんどの者はただ言われているからやっているだけの状態です。従って、チェックの厳しい科目はやりますが、そうでなければ、何かと理由を付けてのらりくらりとかわします。さらに、たとえば算数にしても、ただ提出さえしていればよいのだと勘違いしている者の如何に多いことか。違った答えにでも平気で○を付け、分からない問題は答えを写すだけ。何のための復習と宿題なのかが全く分かっていません。そんな状態で実力がつくわけはなく、まして復習もしていない教科においては、言うまでもありませんが惨憺たる有様です。
 テストの結果も、推して知るべしでした。もちろん、このテストの判定で合格不合格が決まるわけではありません。全てはこれからの取り組み方次第です。しかし、高い目標を掲げるのであれば、それに応じた努力をして下さい。さもなければ、ただの口先だけの人間になってしまいます。まだまだチャンスはあります。けれど、一日も早く目覚めて、真剣に学習に取り組んでもらいたいと思います。

<846> 2009.10/26〜2009.11/1

 誰もが明日は来ると信じて生きています。健康な若者ならなおさらでしょう。しかし、それは思いこみに過ぎません。明日自分が生きている保障など、実はどこにもないのです。そもそも、自分の死を意識して迎えた人がどれほどいるのでしょうか。望もうが望むまいが、その瞬間は突然やって来るのです。
 ではどうすればよいのでしょう。死の恐怖に怯えながら生きていかねばならないのでしょうか。それは無意味ですね。いつ来るか分からない、まして目に見えないものにビクビクしていても仕方ありません。第一それじゃ生きていても楽しくありません。
 答えは簡単です。今を精一杯生きるのです。その時その時を懸命に生きる。それしかありません。だって、そうすることしかできないのですから。
 しかし中には、がんばることや汗を流して必死にすることを、格好悪いと思っている人もいるようです。スマートにできれば格好良い。けど、困難なことには最初から取り組もうともせず、がんばっている人を見ると、どうせできないさとあざ笑います。そういう人に限って、成功者をうらやみます。「あの人はスゴイから」とか「あの人は天才だから」などと言います。努力をしないで何でもできる人などいません。どんな天才でも努力しています。いや天才だからこそ人の何倍も努力しているのです。最近の風潮と言ってしまえばそれまでかも知れませんが、果たしてそれで良いのでしょうか。私はとても残念に、そしてもったいなく思います。折角生きているのです。今をもっと充実させましょう。
 「やってできないことはない。やらずにできることもない」私の好きな言葉です。

<847> 2009.11/2〜2009.11/8

 今回の年間休講日。珍しく1月前から予定が決まっておりました。え?うらやましい?う〜ん。ちょっと違うのですよ。旅行などではなく、余り嬉しくない予定でした。まあ、一泊二日には違いないのですが、生涯初の入院・手術を経験してまいりました。手術と言っても騒ぎ立てるほどの大層なものではありません。それでも、生来怖がりで気の小さい私には大変な出来事でした。おかげさまで順調に回復しておりますので、ご心配なく。詳しくはHPの「カッパの日記」をご覧ください。
 さて、とうとう11月になりました。深まる秋を楽しむのも素敵でしょうが、私は今一つその気にはなれません。と言うのも、生徒たちのことを考えると心配で心配でたまらないのです。彼らの学力が足りないからではありません。それも大問題ですが、それより生徒の大半が、現状を認識せず、未だに何とかなるさと楽観していることが心配なのです。生徒諸君。本当に早く現実に目覚めて下さい。

<848> 2009.11/9〜2009.11/15

 街では早くもクリスマスのイルミネーションが輝き始めておりますが、何と気の早いことでしょう。と言いつつ、今回はそれよりもさらに先のお話。
 現在、新年度の時間割について考えております。いくつか改善すべき点が見つかり、来年は少々変更を行おうかと検討中です。2年前に授業カリキュラムの大幅な見直しをいたしました。その結果、算数特訓コースを新設し、4年生の総合コースを週2日から週3日にいたしました。授業時間数を増やした効果は少しずつではありますが、成績に反映し始めております。ですから、授業時間数を減らすことは全く考えておりません。とは言え、これ以上増やすのも無理があるでしょう。
 では、何を考えているのかと申しますと、通塾回数と授業時間に関してです。例えば、登塾する日数が少ない方が良いのか(一日の授業時間は長くなり、食事の用意も必要になってきます。現在の6年生はこのスタイル)、それとも一日の授業時間を短く(5年生までならば最長で2時間)する代わりに登塾回数が増える方が良いのか(現在の4年生はこの状況)。また、日曜日の授業は歓迎されているのだろうか。受験学年は仕方ないとしても、日曜日が全て授業に当てられるのはちょっとどうかとお考えのご家庭も多いのではないだろうか。等々です。
 もちろん、学年によっても事情は違ってくるでしょう。塾以外にお稽古ごとが多い低学年の場合は、登塾回数が多くなるとお困りでしょうし、かと言ってあまり長時間の授業は生徒たちへの負担も問題になってきます。考えれば考えるほど、混乱してしまいました。 そこで、保護者の方々や生徒諸君の率直なご意見をお聞きすることにいたしました。アンケート調査を行いますので、ご協力を何卒よろしくお願いいたします。6年生諸君も関係ないと言わずに、後輩達のためにアイデアをお貸し下さい。

<849> 2009.11/16〜2009.11/22

 11月も半ば。爽やかな秋の好天が続いていますが、みなさんお元気でしょうか。なんて暢気な事を言ってはいられません。とうとう入試まで2ヶ月になりました。
 人はときとして、現実と空想の区別がつかなくなってしまうことがあります。私たちが生きているのは紛れもなく現実の世界なのですが、「もしも・・・」とか「きっと・・・」とか、仮定の話ばかりをしていると、あたかも近い将来そのことが現実になる、または実際に起こったかのように錯覚してしまうのです。私自身、よく混乱することがあります。
 夢を見ることは素敵なことです。未来予想図なんて言葉もありますね。私の好きな言葉です。自分の将来を夢見て、その目標に向かってがんばる。何と素晴らしいことでしょう。しかし、ここで勘違いをしてはいけません。未来を予想するのは構いませんが、実際はまだ何も始まっていないのです。夢を見ているだけでは何も変わりません。夢の実現に向けて実際に行動を起こさないことには、何も得られないのです。目標達成までの道のりは楽なことばかりではありません。当然、苦しいことや辛いこともあるでしょう。しかし、それを乗りこえてこそ、達成したときの喜びが大きいのです。そもそも楽をして得られるものはわずかです。
 今の生徒諸君を見ていると、素敵な未来を夢見るのは良いのですが、それに伴う努力を怠っているように思えてなりません。特に5年生。まだまだ先だなんて思っていると、あっという間に時間は過ぎていきますよ。

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